名手辻との出逢い


 名メカニック江頭を得て、山崎は自分のプレイを最大限活かせる”F-1”を入手し、戦後外人守備ナンバーワン、好敵手マルカーノなどとのゴールデングラブ賞争奪戦に山崎はセリ勝ち、その後毎年の常連として獲得してゆく。
 江頭は自分の理論を、「同じ角度から突っ込まれ悩んでいた」山崎との出逢いを与えてくれた偶然に感謝した。

 そして何年が経過しただろう、山崎は引退直前のある日、ついこないだのドラフトで西武が3位で指名した小柄な佐賀県人の若者を同道し、再び「久保田運動具店」の福岡支店のドアをくぐった。

「こいつが僕の後を継ぎ、《西武の二塁》を守ります」
 山崎はこの新人の背中を押し出した。
 社会人の日通浦和を経由をしてきているものの、山崎はじめ西武ライオンズ全体が将来の内野の要たる才能と見込んで、獲得には万全を期してこの日を迎えた新人だった。

 紹介され礼儀正しく頭を下げたのは地味な男だった。小柄で華奢、江頭とそう体格の変わらぬ小男に、もう一度頭から足の先まで視線でなめたものだった。
 この男が後年、なんと8回のゴールデングラブ賞を独占し続ける辻発彦であった。

 『なんだ、佐賀モンか。ワシも佐賀のモンじゃ』江頭はこの真面目そうな男の肩をたたいて喜んだ。

 当時進学校とされる県立高で野球をしていた辻は生来の”虚弱体質”ということで、プロ入りどころか医師からは『野球はやめるべき』と反対されてきた男だった。
 高校野球にしろ、毎シーズンオフともなるとなぜか辻の脚が痛むのである。

 医者に見せるとなんとこれが『疲労骨折』、一年分の運動ストレスに辻の体質がついて行けないモロさに原因があるものだった。

 辻はすでに製品を通じて、江頭の信奉者であった。
 というのも、高校野球部入部当時からの江頭によるグラブ(山崎モデルの)愛用者であったからだ。
 それはセミプロ名門の日通野球部入社に至るも選んだ品で、一貫して他社製品に心移りをしたことなど皆無だった。

 それが、ついに辻と江頭との運命的な出会いとなり、”天才vs名匠”という《道具》をめぐる日本球界における[究極の邂逅]となったのである。

「グラブの中のタマ、掴みに行くのに0、5秒かかったらその間に走者は「4、15mも走ってしまう」んです(プロ各球団走力テスト「合格最低基準」クリア者が塁間を走ったとして江頭は試算してみせる)」。

江頭がはじき出したこの冷徹な数字を辻はひと時も忘れることなく、”グラブによって稼げる秒数”を、ひとつでも多いダブルプレーへのトライアルへに挑戦し、数字を冷徹に積み上げていったのは云うまでもない。

 当時のパリーグで俊足を誇った福本・大石・西村・島田誠らが、こと西武戦になって【打球が辻の手にかかると】、
『半歩、いや一歩及ばずアウトに終わる数が増え』ていったのである。

『捕ってから投げるまでが早い!』俊足が売り物のベテランたち『憤死する原因』を分析するうちにこう、うめき声を上げた。
『こりゃあ、西武は強くなるぞ……』上記のパを代表する俊足選手らは全員左打者。
自分らはセカンドの左右を襲い、一塁に生きて自軍の得点源となる……その肝心の突破口が辻のゴロさばきによって倒れてしまっては「攻撃のシナリオ」自体に大きな狂いが生じることに気付いたからである。

ゴロに絡み付いたと思ったら、もうボールはしなる腕の先、送球動作が終わる瞬間??!!
ダンスのように流れる辻のプレイングルティンに彼らは次々と脱帽を始めるのである。

西武ライオンズの黄金時代、2塁辻、遊撃石毛、ライト平野、専門の者ならこの鉄壁を支えたセンター・ライトラインの各選手らがセンター秋山を除き、全員が江頭が彼らの手に合わせて”手ならし”を加え、製作した者であることを識っている。

ワケ有って左のラベル側は見せられないが石毛用。右は辻の実使用。
だが、両方とも江頭の手製である。

 江頭の信者、辻や馬場がどれほどに”現場”のレベルで評価されているか、それを推し量る象徴的なエピソードが後に起きた。
 あの野村監督がヤクルトの投手陣の弱体化に伴い、それでも「日本一」の座を確保するためにチーム防御率のアップを試みた構想は、ヤクルト球団のフロントをアッと云わせた。

 ヤクルト球団編成部一同の推す大砲の金銭トレード、いや違う、では『鉄腕』の獲得?それも違った。

 今にちの阪神タイガース躍進の『タネを蒔きながら、「優勝」という収穫の年’02を前に去った』昭和の智将、野村の案は『古田を中心とした防御率計算のできる徹底した守備力のチーム』作りであった。(後任の星野仙一氏はそれらを育てたというよりも「収穫していった」監督ではなかったか)

 それは「西武から辻」、そして「オリックスからは馬場内野手」と、期せずして(江頭のグラブ信奉者)二人の獲得補強の断行をおこなったのである・・・この事実は”近代野球”を知るのに大変示唆に富んでいる。

    「軟球」について僕らはズッと悩んできた。

 アメリカで長くメジャーや、アマの野球に接してきたとはいえ、前野ごときが、江頭氏らと同じWEB画面で述べること自体がそもそも非礼きわまりない。それをまず先にお詫びしておきたい。
 礼儀も分もわきまえているつもりだ。

 ボクはたかだか草野球で40年以上捕手をつとめてきただけにすぎない。
 だが『区内リーグでも最低クラスだった』我がチームを「東京都代表」への改造に成功させるなど、いわば”底辺”からの軟式野球に身をひたしつつ、プロ球界との(雑誌記者時代からの)取材活動で培ったノウハウの蓄積を草野球の仲間に[合流]させようと遠い昔からもがいてきた。

 現在も何人もの”超大物”含む現役プロ野球選手らへの「道具の相談」などを持ち込まれ、実際にそれで結果を生み出したり…という共同作業も行ってきた。

 反面、業界は今までまったく『日本だけのボール』である”軟球”という物体への対策を何ら講じて来なかったため、硬式と軟式用具における品質差は”単に似ている”だけで、まったくユーザーを考えずに流通していた道具(まがい)でしかなかった。

 ボクは個人的には非礼で、トンでもない者にしかすぎない…だが、「お客様」を頼りとする者としたら、このような業界に対しては断固たる姿勢でまず、ぶち壊すところからしなければならないと思った。

 天に対して理はないかもしれないが、ここまで客を無視して商売をする者どもに対してはむしろ『大義』さえあるのではないか、そう思って、行脚を始めたものだ。

『お願いですから”軟球”のためのグラブを作ってくれませんか』

 抵抗する壁、それは高かった。
 可笑しかったのはどこのメーカーにもあの「ゴムマリ」について考えた研究の形跡が残されていなかった事だ。
 考えれば考えるほど、首もたげてくるのが《硬式と軟式》、お互い似ていながら業界全体の無理解と放置が産む、多くの不合理とナゾが存在する…なのによくぞここまで放置されてきたものだ。

 では硬式と軟式では具体的にどう違えたら良いのか?
 それは目の前の勝利に一生懸命な軟式野球人なら日本中の多くの草野球人が、日々、抱いている疑問ではなかろうか。

 ひょっとすると『硬式野球』と『軟式野球』は全く別の球技なのかもしれない・・・。

 たとえば捕手へのフライを捕球する場合、『軟式の上級チーム』の捕手ほどミットを腹の前で構え、右手を上からフタ状にして球の弾み出しを封ずる…そんな捕り方をする。

 それと反対に「硬式捕手の基本に従い」、カッコよく”ミットを顔の上にかざし”て…という”正しい”捕球姿勢をとったら…『軟式野球』ではその捕手の守備率は逆に低かろう。

 これは軟式ボールを知らぬ捕手の典型的キャッチングといえよう。
 それはそうだ、『硬いマリと軟らかいマリ』を運道具メーカー自体考えてこなかったのだから、
 《キャッチャーフライは、硬球と軟球ではミットの出し方が違うよ》というアドバイス自体あってはならないのである。

 勝とうと思うなら、”硬式野球っぽい”ことなどけして自慢にはならず、逆にハンデにしかならない…。
 何故なら彼ら(業界や硬式人ら)は”軟球に敬意を表していない”し、また逆に軟球に対し”正しい敵意”を抱いていない…だから”我々”を分析していないのである。
 そんなハンパ者など戦力になるだろうか?また、顧客として大事なお金を支払う価値があるだろうか。

 我々は「軟式野球」をやる以上、確実に軟球を制圧しなくては勝てないのである。
 ここで例え話をしてみよう。

 高校大学と高度な野球教育を積み軟式チームで戦力と期待される・・・そんな選手が定期的に”軟式に降りてくる”季節がある。
 中には「元プロ」という”ルーキー”にもボクらも会ってきた。
 だが、そんな彼ら”大物クン”は、あくまで「硬球経験者であった・・・だけ」のことで、「軟式野球」で通用するかどうか……それはまた別の問題だ。
 そう厳しく一線を引いて良い。

 ”前世”での勲章を引っ下げた多くの大物クンらは打撃練習でこそ、きまって周囲に驚かすような打球を披露していたが、アレ、アッレレと「ゴムマリ」のもたらす意外な作用に首をかしげているうち、大物クンらは”思わぬ低打率”に泣かされてゆくことになる。

 最初のファンファーレが大きかっただけに、次第に自己嫌悪に沈んだまま”下の打順”から大物クンらは「第2の野球人生」を再スタートする…タイプ、もうひとつ「プライドが邪魔してキマリが悪くなり、いつの間にかグラウンドに通ってこなくなる…。」 そうした2方向への分岐点で彼らは選別されてゆく。

 彼らに誉められるものといえば[脚が速い]それだけではなかったか。
 ついでに云えば一様に彼らは”肩を壊している”というのもおかしな共通点だった。

 先の「キャッチャーフライ」に戻れば、そんな”硬式用技術”が徹底している「プロっぽい球団」ほど、むしろ付け込むスキが7イニングスのうちに随所にのぞくもの…、と軟式の古豪らはほくそ笑んでいるものだ。

[軟式ボール]は”弾んで逃げる”性質がある…

《軟式ボールは弾け出るもの》といった当たり前の、「軟球だけにあり、硬球にはない」特徴について、どれだけ”いったん諦め、素直に従うか”で強弱が決まる。
 世界で野球といえばすべて《ハードボール》と、この【わが国だけの軟球】しかないのである。
(だからアメリカ製で軟球対応などと云うものはあり得ない)
 

この『反発力』に業界は”思考力ゼロ”だったのである。


 前野は取材活動を通じ多くの職人氏や名工と呼ばれる方々に面会し、彼らのグラブやバット作りにかけるご苦労話をうかがい、一人でもより多くの野球ファンに広めるのがライフワークである。

 近年はそうした活動のついでに、まるで”釈迦に説法”よろしく、彼らにひとしく、ぶつけてきたのがこの質問だった。

『過去に「軟球専用」のグラブやバットを考えた経験はありますか?』

 驚くなかれ、これが皆サン『ゼロ』!!!???なのであった。

 中には「そんなもの…」と、軟式を考えたら自分の価値が下がる、とでも云わんばかりの否定ぶりの御仁もいたし、
「そんなん考えんでも《硬式グラブ》の柔らかくなったもので充分」と片付けた高名な職人氏さえいたのである。

 彼らは運道具メーカーの社員として、きっとカスミでも喰って暮らしているのだろう(笑)。

 メーカーにとってみたらそりゃあ「硬式野球関係者」は彼らの”ヘビーユーザー”には違いない。

 だが考えても見よ、河川敷や街中のグラウンド日本全国のいったい何%、硬式ボールを使用できるグラウンドがあるのだろうか? 
なんと全国で硬式ボール使用可能野球グラウンドなど【全体数の5%にも満たず】、学校在学者と企業野球人以外にプロ球場以外「ほぼゼロ」。
 これが《硬式環境》のお寒い現実なのである?。

 ボクらも日常、散歩などしていて野球を楽しんでいる者を見かける…、ほほえましいものだ。
 しかしその連中がはたして『硬球を使用している場面』に出会ったことがおありだろうか?
 硬球でキャッチボールをしているのを見たら、あなたはきっと万馬券を当てるだろう。
 だが硬球ででゲームをしているところに出くわしたら、ドリームジャンボ宝くじを買ったほうがいいだろう(笑)。

 いずれにせよ、もしそれがyesだとしたら、そこは相当なカントリーサイドにちがいない?。

 考えても見たらいい、日本全人口に占める「野球プレー人口」が5〜700万人という推計のうち、硬式でプレーする者は何%占めるのだろうか?

 グラブやバットを買い込んで、
野球をしている者のうち《98%以上が軟式》ボールを使用しているのではないか?
 また一部にいる、軟式プレイヤーが『硬式用具』を買っているのは、メーカーのもたらした怠慢からくる”おカド違いの道具”を高くても仕方ないから買っている…のであって、製品に満足した対価ではない。

 このことをユーザーもメーカーも良く考え直して欲しい。

江頭さんと辻さん、右のモザイクさんは世界一の名手…おじい……
だけど(辻氏のチームロゴともに)版権的にここは商業的
部分なので自粛した。あれれ、写真のグラブは何故か外
野手用。イチロー君のアマ時代グラブと同型じゃないか(笑)
(我々のA’heads『オールラウンド型』¥29000写真右・網目が現在は細かい網目ウェブ現行型)

”「軟球がゼロの国」で作られた道具”で、軟球をさばく…というお笑い的現実。江頭氏を「追求」する。

前野(以下[M])
「ですから、マーケットが98%も居るというのに、業界は『そんなもの考えたことがない』と云ってはばからない。」
江頭(以下[E])
「まあ、ワタシらの業界では《硬式のカタで安物の革を使った》ものが”軟式用”というのが一般ですからね」

M:「そうなんです。硬球と軟球、あれだけ材質も性質も違うのに《軟球だけを考えたグラブ》がないわけで、つまり《硬式のバッタもの》としての軟式…しか運動具業界には存在しなかったわけなんです。

E:「まあ、ウチも含めてそうでした。少し柔らかめの革を使うとか、その程度の工夫しかやってこなかったし、また軟式グラブも値段を高くすると売れん、という営業的現実問題もあったと思いますよね。」

M:「江頭さんはたしかに独自のデザインで、ボールを獲りやすいグラブを作られていますが、それはあくまで”硬球に対して”であって、軟球では別問題ですよね。」

E:「まあ、ワタシらはプロや学生の野球部を主に相手してきましたからですね」

M::「そもそも野球道具の基本形はアメリカという《軟球のない国》でバットもグラブも産まれたわけなので、ハナから《硬球と闘うための》設計で、それ以外のボールを相手にすること自体ナンセンスなんです。日本のユーザー相手にするならら、そこまで押し戻して日本の業界はこの
圧倒的大多数の《軟式選手》相手に「軟球を扱うための用具」の研究を一からやり直してもおかしくないわけです。」

E:「たしかに《軟球はグラブの中ではずみますから、硬球獲るグラブの方が作るのは易しい》といえるですね。」

M:「中身が詰まった硬球と、狭い国土考えて作られた中空のゴムマリと、同じグラブの《革の硬さ・厚さ》だけで片付けていいのでしょうか?。

左写真:紐を通していない指だけのグラブで捕球した直後の江頭氏。
氏がグラブ作りでイメージするボールの基本的キャッチングゾーン。
手の平を心持ち浅く入れる。
右写真:氏の硬式用練習用グラブでゴロをさばき送球の右手にトス
素早く送球すべき局面でのイメージショット

 (Mの続き)
 ”プロ選手が軟球打つ”…のを後ろから捕手として、マスク越しに見ていると解りますよ。
 バットにしろ中身くり抜いてあったって中空のボールをドッカ〜ンを芯で叩くと、つぶれている時間が長いため逆に飛距離が落ちるんです、《反比例》みたいに。
 あんなのはイカサマスポーツですよ。
 ボールがつぶれて反発がゼロになる分、シナリをバットに与えてやって”反比例”なくす配慮がバット作りにも必要なんです。
 バットもグラブもあれらのカタチ自体、正しくない可能性の方が高い…と業界人にはそう思って欲しいんです。そもそも[軟球]を考えた力学からデザインしたバットじゃないんだから(笑)」

E:「どこのメーカーも野球用品にはやり尽くした感が漂っていたと思うんですが、たしかにそうした一般大多数の選手に歓迎されるような品物作りというものがまだまだあったんじゃないか…とオチオチしておられませんね。」

こうして江頭氏だけが、真剣に『やらんといけませんね』と取り組みを開始してくれたのである。

基本的に合意したことは

《デビューの日からゲッツーを狙えるグラブ》

《主要ターゲットは「硬式野球経験者」で硬式グラブ信奉者、地域リーグ[Aグループチームの脚力を刺殺できる]プレー対応機能》

《硬式のコシを要所に残しつつ、柔らかい軟球を素手感覚でつかめる》

《軟式一般の価格帯にとらわれず、硬式部品の動員を惜しまない》

《軟球の[弾み出し]を最大限封じる》



以上、5本の柱が主要なコンセプトとなって、江頭に製品作りの全権が移した。
じっさいに【こうだ】と、氏が思いついた事はやって頂く、こちらは自由にやって頂くよう尊重するのみ。
氏であれば、その試行錯誤など【もがく度】に新しいものが生まれるし、なによりそれは常に《(従来品よりも)ベターである》はずではないですか。
 氏が思いついたアイディアはつねに《名案》なのです……軟球を制圧するためのアイディアである以上。

 こうして私(前野)は、この作り手を全面的に尊重できる方と信じて、「ただ制作環境をバックアップするだけ」という関係に徹しています。

 《納得がいくなら、この人物にはとにかくお元気なうちに一個でも多く、「江頭製グラブ」の数を増やしていって欲しい》まさしくそう思います。
 今このことがワカらないユーザーなら、この先行っても解らないでしょう。 

 もとより「待てないお客さん」は、もはや我々の理解者ではないと思っています。
 ボクらが発売をあせって”不完全燃焼な道具”などを世に出したらさいご、【プレーヤーのため】ではなく、【カネが優先】?と疑られるでことしょうし、またそう攻撃していただきたい。

 そもそもこうして、HPでも大上段に振りかぶっている以上、【これがダメな品なら】本当にあちこちから指弾を受けるに違いありません。またハッタリだったら、ボクも江頭さんも”致命的な信用を失い”ます。

 こうした保証ではご満足いただけないかもしれませんが、視界には水平線見渡しても、氏の作品以上の品などないのですから仕方ありません。

(驚いたことに、2004年初頭ともなると、ようやく我々の指摘に気付いたのか、今までハナも引っかけなかった各大メーカーから数々の類似(コンセプト)品が出現するようになった。
 でもナサケないことに未だに自力での開発ができないらしく、わざわざ上記の5本のモットーまでそのまま、キャッチフレーズとして我々の「軟式革命」を盗用する会社。図々しい”大メーカーの下請け業者”などは「見せて下さい」と、客を装って実際にパクリに店にやってくるほどだ。だったら堂々と某社のように「正社員名で」買えばいいのに…)。

そうしたパクリがいかに彼らの無力を証明しているか……、その「新製品」をみたらすぐに判ります。

 軟式で苦労しているプレーヤーがまったく見えない、また見ようとしない体質がしみ付いている。
 だから《パクった方が早い・安い・ウマい》と(笑)、ハナから【対策】など考え付かない連中なんです。

 その底流には抜きがたく《どうせ軟式プレーヤーには判りっこない》といった【軟式差別】がいつまでも消えないのです。

 江頭氏も彼らを徹底的に軽蔑するのが良く解った次第。
 皆さんにも運動具店などで、直接類似品群を手にとって批評して戴く事をお勧めします。

 それらにはおしなべて、【”曲面”がないはず】で共通しているのがひとつの”鑑定法”です。

 
Aheadsのグラブを作る…表に出なくてもいいことでしょうが、
 @吟味した革と部品を起用して、生産ラインから組み上がったばかりのグラブを……
 @もう一度”展開”し、そこには時間をたっぷりとり江頭氏の厳しい目で革の表情を読み取りながら……の氏の真骨頂=「ならし」工程を経ます。
 @さらに氏の手になる「叩き」の工程が待っています。そして、バランスを見ながら「組み直す」…この工程だけで朝から夕刻まで1日にせいぜい「4個」。

 それ以上無理して頂かないようにしています。
 品切ればかりですが、できるまで待っていてください。それでいいじゃないですか(笑)。

 これで初めてボクらの目から鑑て【曲面になっているグラブ】だと自信を持っていえるのだと思っています。

 聞くところでは某大メーカーは、【叩き・ならし】でカタをつける工程で
 「【餅つき機】を改良した機械」でボコボコと、致命的な(笑)カタをつけてしまう体制が整っている」そうです。

 わがショップにお出ましのスパイ諸氏よ…、できるならとことんパクってみたらいいではないですか。
 そうすることで、軟式野球全体の水準が上がる結果となるのでしたら、ボクらが《一石を投じた意味がある》から大歓迎なのです。
 そして、楽しみにしていますよ、諸氏の納入先小売店舗ドノが、いったいおいくらで売り出せるのか……このまさしく【いい仕事】を(笑)。

 (それにしても『ドロボウに給料払える会社』が何社もあるなんて、まだまだ世の中は不景気じゃないんでしょうし、また甘いもんなのですね。)