【2009年6月】

6月27日(土)  すばらしい北朝鮮の正論  (^o^) まあまあ
 北朝鮮の「労働新聞」が、麻生首相をとらえて「失言の『選手権保持者』」と批判する記事を掲載した。

 この新聞は朝鮮労働党といういわば朝民にとっての『思想統制組織』の機関紙だけに、あの国の公式見解といってよい。

 いわく、鳩山民主党党首との党首討論の席で『北朝鮮が二度目の核実験をするなら、さっそくアメリカの”ブッシュ”大統領やペンタゴンに連絡を取って…対抗して…』と言ったり

 チェコ訪問時に、同国を旧国名(分断前の)「チェコスロバキア」と言い間違えたり(国賓だぜ〜コクヒン)、

 さらには都議選応援で選挙事務所での決起集会で事もあろうに『惜敗を…』といっちまったり…
 これには触れていなかったけど(笑)、失言の数々をまとめて取り上げて馬鹿にしたそうである。

 これを同紙は
 『しょせん、能力のない者が無理やり政権を握っているためこうした失言がおきるのであって、日本政治が駄目になるのも無理ないのである』と結んでいるそうだ。

 すいません、本当です。

 ひとっ言も云い返せません。申しわけないッス。
 こんなに理路整然とした朝民の主張って(笑)、生まれて初めてだッス。

 あ〜立場ないなあ。  (「立花いな」さんって方実在しないっすかね?「稲葉うあ」さんとかあと、「田島ハル」さんとかは、いるよねきっと。関係ないけど(笑)。 娘が生まれたら『芽理』ってつけて「前野 芽理」を実現させたかった。近所に「柴 健」っておじいさんはいるんだよ)

 北朝鮮にこうして正論を吐かれちゃうとひとたまりもないなあ。
 金正日なんて、どうしてトップに置いてるんだろ…なんて、とても申し上げるわけにはいかないもんなあ。

 麻生やら、議員も辞めずに「中川酔いどれ」あたりがいるわけなんだから。

6月26日(金)  マイケルは『自殺』したんでしょ  (^o^) まあまあ
 あのマイケル・ジャクソンが亡くなった。

 というか、やっぱり、「あの12年ぶりのコンサートツァー」は架空のものだった。
 2か月前の『CURIO(キュリオ)』というプレミア月刊誌への連載コラムにボクはこんなタイトルで、例の「お騒がせオークション」を嗤った。

 『トラブルメーカー、Mジャクソン。次のドタキャンはあの引退ツァーだろ』という大胆な予測だった(笑)

 執筆したのは4月。締め切りに2日遅れの入稿だった。
 やっぱり…というカンは、今朝の『死亡していた』報道を朝7時に観てまた出たのが『やっぱり』だった。

 カネの動きをみればヒトの末路は判るといったら申し訳ないが、このヨーロッパツァーで結局詐欺にかけられた格好のチケット約100万枚の購入者にとっては許せない決着のつけ方だろう。

 あのオークションを未だに惜しむ向きがあるけれど、間違ってもボクの目ばかりはだまされない。
 あんな体勢で『まともな取引』など期待する鑑定士などがいたら、そいつ自体がタイコ持ちみたいな経済感覚なのではないか。大体法治国家であるかぎりあり得ないオークションであった。

 それがドタキャン、オークションのうちマイケルの『実使用品』のセクションだけがキャンセル、マイケル側が主催者のインチキくさい興行主にペナルティ(推定2百万ドル)支払って、目玉商品群のない『ネヴァーランド実使用スクラップ品オークション』だけにとどまった。

 このドタキャン劇は、自分が実際に使用した思い出の品々だけを守ったと云えば聞こえは良いが、『売らなくても良くなった理由』がふるっていた。

 ヨーロッパで引退ツァーを行うと急きょ発表されたコンサートツァー、なんと50ステージもこなすというのである、しかも3ヶ月後のこの7月初旬から…。
 その前売りチケットを予約でなくて前売りにして、入場料収入だけでもマイケル側は巨額の富を得る。
 1枚が「手取り5000円」としたって、約50億円もの現金を手にしたおかげで早速やったことは『実使用品オークションの中止』というわけだった。

 通常ならばマイケルほどの存在の引退ツァーとなれば、(それがまともな話なら)VODAFONEやらなんやら大きなスポンサーまで乗り出して巨額な収入となるのにそうした動きがない(今ドキまっさかあ)。

 だったらボクはこのツァー自体、チンピラ高校生じゃないが『おばけパーティ』であり、マイケルは『ユーレイのパー券』をさばいてこのカネを手にしたということだ(笑)。

 もともとあのオークション自体、どうみてもマイケルの意思ではなく、借金の管財人あたりが売上金の受け取りとなる流れで、イヤイヤ「カネになりそうなものを売らされる競売」にすぎなかったものとみる。

 それをあり得ない、また体力的には絶対にやりえないはずの『いまさら50ステージ』なんていう夢物語をどこの苦労知らずが信じるのだろうか。
 70年代、ボクがアメリカのユナイテッドアーティストで、ロックのステージを16ミリで撮っている際に、どれだけワンステージだけでも体力が必要かよく知っている。

 シナトラやペリーコモじゃあないのである、マイケル・ジャクソンのステージがバラードだけで終わったらもう暴動しか残らないだろう(日本で一昨年やったバカな「マイケルを囲む会」みたいものは、日本人をカネ払いの良いサルとしか見ていない陣営の、日本限定としてのいつわらざる発露だろう。)

 だいたい、その引退ツァーがアメリカでなく、『ヨーロッパだけ』で行うというコンセプトだけでアヤしいとは思わなかったのか(笑)。
 だれか頼むから『どうしてアメリカでやんないの?』とツッコまなかったのか、信じられな〜い。

 それはうがった見方をすれば、今日のような事態=ホントになっちゃった『事実上の(コンサートツァー)不履行』からくる損害賠償など、請求の突き付けられ方が、アメリカじゃあ逃げようがなかったからなのか?
 ヨーロッパの人々を選んだのは御しやすしとしたからではないのか?そう合理的に疑うのは間違いか?。

 彼は生きていたにせよ、このツァーはこなせなかったと思うし、そのつもりは最初からなかったとしか思えない。あまりに周辺事情を突き詰めてみるとおかしいことばかりだ。

 それだからこそボクはあのオークションドタキャンのニュースとともに書いたのが
『Mジャクソン。次のドタキャンはあの引退ツァーだろ』といった大胆を通り越して、誰も予測していない自体を先読みしたタイトルだったのだ。

 ああして、カネを先につかんだ以上マイケルはこの間かなり苦しんだことだろう。
 そして、ボクは彼の死を『心臓を停止させた死』、つまりほとんど『自殺』したのだと思っている。
 それではじめて、あのオークションから始まった異常な流れに『起承転結』で幕が下りる。

 『自殺』という発表は、するのかしないのか。
 たとえば覚せい効果のあるコケインやメタアンフェタミン、ダウン系のヘロイン、ある程度純度の高いモノにしたとたん、心臓が止まってしまうのはアメリカの興業界で長い者なら知らぬ者はいない(メタアンフェタミンは米ではポピュラーではない)。
 強い衝撃で心臓に麻痺がドスンと来る、それでラクに死ねるのである。

 だから、犯罪組織などで証拠をつかみにくくさせ、殺す場合などにこうした手段も用いる。

 ボクは(一般はともかく)ここまでオークション騒動ふくめ、恥をさらしてきたマイケルはツァーを前にして、予定通り行き詰った。

 これで仕方なかったんだろうとボクは静かに事態を観ていられる。
 「さもありなん」と。

 そうした異常な流れはこうして始まっていた。
 オークション騒動についての記述から抜粋(「CURIO」'09.6月号コラム『硬骨白手袋仮面vol.25』より)

 …まずカタログが二週間前に間に合って、まっ先にやってきたのは汐留の局。
 刷りたてのそれを一覧してビックリした。ボクの目からは問題だらけである。

 例えば、衣装の中でも3点あるハイライト。全盛時(’84〜88頃)に着たとされるミリタリー調衣装。
 白いキラキラのコートなどはまさしくその初期にアルバム【スリラー】を引っ提げていた当時のど真ん中モノ。
 それに不可欠なのはできれば右手にはめていたスパンコール付き《白手袋》。

 ところがその白手袋は《前ページ》に。コートは《次ページ》と別売り作戦。
 コート落札者には、往年の写真をポスターサイズで付属させますと但し書き。

 当然ながら3百万円(?my観測)と思われる品を落札しようとする者ならば、そのポスターを証拠として並べ(て展示す)るだろう。当然『じゃあ白手袋も』と買っておくに違いないのが人情だ。
 それをわざわざこうしてセパレートで売るアザとさはただ不快だ。

 ところがその手袋の能書きを注意深く読めば、『90年頃の使用』とある。
 おっとっと、落とし穴に墜ちるとこだったぜ。ナンのことはない、せっかく2ロットとも落としたというのに、キチンとした完成形とはならないではないか。
 その白手袋について、主催者側鑑定士は落札予想額を《一万〜一万五千ドル》とする。
 見当はずれの自画自賛だ。

 だいたい《84年ごろの衣装を着たマイケルの証拠写真》に写った個体さえ用意できない程度の管理状態なのである。
 よく眺めれば幾つもの銀キラ星が脱落している…。あれが激しいステージアクションに耐え続けるとなると『何双も必要』だったろうと考えるのが自然だ。

 《うたばん鑑定士》ならそのように判断する。そのほうが仮説にもし誤差があっても、つまらん出費を顧客に強いる可能性は低く抑えられるというものだ。
 さらにそれを『90年当時使用』と特定できるのならば、それは同時に、その間7年の歳月で幾つもの同様手袋が用意され消費されてきたか、実際には幾つもの同様品があった…のをうかがわせる。

 サインも入っていないため複製物がいくらでも出現できる。それに”背景”を鑑みると、価値などせいぜい20万円というところか。そういや当時の女子大学園祭などでお手製のあの手袋をして、モノマネをする女子を目にしたものだった。
 安易に海外のオークションに手を出しては、甘く甘すぎる《【ルノアール】のココア》のようなインチキ鑑定書だけを頼りにしては、ヤフオクで二束三文の落札額に泣くご仁のいかに多いことか。

 こうした苦言もTV収録では力説しておいたのに、案の定《すごいすごい高い高い》至上主義の編集でカットされる。
 そうした全盛期の別コートで、赤のバージョンがあった。

 これら2着ともオークション最終日一週間前まで、ハリウッドの【グラミーミュージアム】で飾られていたもの。
 あちらさんはこれを《三万〜五万ドル》と読んだ。それはそれで間違いなかろう。

 これには先の白バージョンのように、付属写真が付く。
 それもグラミー賞に出てこれを身にまとったマイケルと、(おそらくは)プレゼンターのブルック・シールズ嬢が2ショットで並んだもの。
 この第一級証拠写真には『当ロットには本写真のポスターサイズが付属します』と、誇らしげに印刷されていた。

 だが『こりゃひでぇ』ボクは開口一番でふき出した。
 このロットは、売買が成立した時点で訴訟問題へと発展するだろう。読者諸兄も考えて下さい。

 『シールズ嬢との写真が付属する…と約束』した上で、これが商談成立するならば、間違いなくシールズ側も売上げに貢献したわけで当然、マージンが発生する。
 本体はあくまでマイケル…とはしても、シールズ嬢の顔を使い「商品」の説得力を持たせるとなれば、まずそれは著作権の【肖像権の無断使用】であり、【プロモーション権の侵害】と、彼女とその所属会社から権利を主張され、何百万ドルもの請求をされたって、ほぼ全面的に認められてしまうほどの悪質で幼稚なケースである。

 これに先立ちマイケルから部分的な競売差し止め請求はあった。
 だがこの【実使用もの】全面中止のタイミングは、カタログ『配布開始直後』だったため、印刷物を目にした見た関係各所から指摘されたとみる。
 予定通り開催されれば、この辺りが問題とならないワケがないとボクは断言する。

 スポーツやエンタテインメントの世界では、一般の想像を絶するそれ以上にそうした「代理人サマ」が徘徊。”版権原理主義”テロまがいのケチ付け→カネをふんだくるネタをアメリカで、また日本で、かぎ回わっているのが実情である。

 今回の競売中止は、こうした無神経が呼び込む巨額賠償訴訟から、被害を未然に回避したいマイケル側からの要請と、利益を肩代わりする事で、あの主催者は『ハッピーだった』としか語れない。…以下略

 明日の日本時間27日夜半に、UCLA医局が解剖結果を発表する事になっている。
 おそらくは『心不全』。『ハートアタック(心臓マヒ)』とまで踏み込むだろうか。

 マヒだったら、刺激は何だったのか…となってしまう。
 自然の病死にしてはやることはやりつくし、気が狂うほどに『晩節を汚し』、しまいには「パー券サギ」まで手を染めて、今後は何が残っているのだろう。
 あまりにタイミングがよすぎる『呼吸停止状態(「第一報」)』ではなかったか。

 ついでに予測しておけば、出るだろうなあきっと…
 『他殺だった』って(笑) 

6月21日(日)  ちゃんちゃらおかしいゼ  (^o^) まあまあ
 よく降る雨だ。

 だが、育てている植物類の元気なこと。
 冬は寒く、夏は暑いっていうのがもっとも経済もスムースに進むもの。

 雨も、四国地方が水飢饉寸前というのは気になるが、琵琶湖や北関東の水がめは満杯状態でこの夏は水不足にイライラする事がなさそうで、せめて感謝。

 ところで、先週幕張の千葉マリンスタジアムで『鑑定大会』なる交流戦特別イベント。
 阪神タイガースが相手とのことで、JR東海がスポンサーとなってくれて、いつも縁日のような賑わいが球場の周囲を取り巻く。

 とりわけ、『房総名物 黒焼きソバ』なるものを食すとこれがウマい!
 何のことはない房総沿岸で捕れるイカの新鮮なスミを使う。
 これをニンニク、キャベツと玉ねぎ少々と塩で味を調えたところにスミを混ぜ、中華焼きソバ軽く炒めたものとあわせる。
 早い話が、『イカスミパスタ』のパスタに代わりまして、『代打・中華めん』といっただけのもの…なのだが、タカをくくっていた450円ナリが逆転サヨナラタイムリー!

 『刺身用』と書いてある、スミイカなどを魚屋で買ったら、これはこれでお試しになったらいかがか。
 これなら冷たく冷やしたシャブリ、焼酎オンザロックなどには細かくひと箸サイズに短く切って格好のツマミになる。
 バカにできないものである、これぞB級グルメとやらの華との出逢い。

 しかし、ホントにここではいつも、一生懸命にプロ野球を盛り上げようと球団スタッフが頑張っている。

 やってきた本物の舞妓さんに
 『いや〜、ほんまもんのカンテイ士はんや〜』と、意外にも握手求められ、テレる。
 厚化粧を割引いて眺めれば、18かそれ以下?か。

 『《うたばん》毎週見てますえ』とのこと。
 ありがたい。

 なんでも、今までの放映日の木曜日晩ではお座敷などで忙しく見れないけれど、日曜日の夜だけは祇園もヒマだそうで、置き屋さんで見てくれているとのこと。

 のぞみに乗せてここまで呼びつけるには彼女二名、随分とギャラ(「花代」)もかかるだろう。
 えらいぞJR東海。
 で…、ここで彼女らに何をさせるのか…って?。

 『鑑定大会』の後に始まったのは、低い演壇に軽量タタミを4枚敷いて、そこに彼女らが当選したファン4・5人を乗せ、なんと始めたのがゲームでも『投扇興(とうせんきょう)』 (笑)。

 オツなのである、オツすぎる(笑)。
 試合前のさんざめくあの雰囲気のなか、座敷に座って、木の箱の上にのった的を狙って、開いた扇をスィ〜っと投げて、その的中とか、箱への乗り上げっぷり…とかの結果をポイントで争う、優雅な古来のお座敷ゲームである。やるかぁ、野球場でフツー。
 やるなぁ〜ロッテ(笑)。

 ホントならあの振り袖で、ツイスターゲームなどをやったらまた一興かと思うが、そうか、ソーユーひと達ではなかったよね(笑)。

 イベントが終わったらベンチ裏へ直行。
 まずプポさんに会う。彼は「一職員」だが、彼の存在が日本の野球に与えたインパクトは絶大だった。
 あの阪神をまったくの子供扱いにした95年、日本シリーズ。
 バレンタインさんがアメリカから連れてきたプポさんは、コンピューターのスペシャリストだった。

 この時が、日本野球に『ID野球』ならぬ、『IT野球』を本格的に持ち込んだ元年であり、そうした意味で彼は”ペリークロフネ”だったのかもしれない。

 ボビーの後ろに控え、常にノートPCをのぞき込み、彼が適宜アドバイスを短く与えている様子がTV画像からも見てとれる。
 この”短く”云っているというのがミソだろう。
 つまり、プポにボビーが尋ねるのは『このケース、どうしたらよい?』と、最終判断に近い質の問いかけをしているという事だし、それをプポが答えるのは『Yes/No』とか、『Go Ahead/Stop It』みたいな、結論に匹敵するデータ結果を、すばやくディスプレイから読み取って伝えているのであろう。

 この結論までに、自軍ふくめ、相手チームのデータ収集をスコアラー陣に担わせて、プポが整理してインプットしている…とみていい。

 彼の口からあまりキナ臭い言葉までを確認するヤボはするまい(興味ありまくりだけど)。

 『お前は時間があったら何をしているんだ?』というので、
 訊けば彼の自宅はラスヴェガス。

 「『1泊3日』で、得意ワザの、スロットマシーンをやりにキミんちの方まで行くんだよ。ステーキはうまいしな」

 『お〜〜、”停めながらロールを回すやり方か”』(スロットマシーンでドラムを一斉に回すバーを一気に最後まで引く人間はビギナーであるし、勝てない)
 「さすがは地元民、プポさんは詳しいな。」
 『いや、オレの妹もヴェガスに住んでいるんだが、やっぱりコンピュータ技師でね、ドラムの停止するプログラミングをやっているんだ。』

 「なあんだ、オレの敵じゃないか(笑)」
 『ああ、ジャックポット(大当たりの役)で停まらないように、「スーパーアトランダムマッチング」という名のシステムでスロットの当たりの確率をコントロールしているわけなんだ。』

 「知ってるよ。日本のパチンコ屋と同じでね、その確率はどの機械も同じようなものだけど、『客寄せになる位置』にある機械はセッティングがゆるいね。『出す時間帯』だってみんな営業的に役立つ時間には出る確率が高くなる。たとえば…ホテルにチェックインした客が多くマシンの近所を通りかかる時間帯とか(笑)」

 『うぉ〜、日本人でそんな事を知って稼ぎに来る野郎がいたのか、こりゃパティキュラスだ。さっそく妹にこれからメールで「こういう野郎に気をつけろ」って打っておくから(笑)』

 こんな楽しい人も、来年にはもう会えないのか…。
 今、マスコミにはバレンタインさん「今季かぎり」というリークというか、それを既定のものとしてしまう情報操作が行われており、来年の監督人事がテーブルにのぼっている。

 生え抜きの現ヘッドコーチ、西村徳文さんの名前が上がったかと思ったら、今度はあの依田だ、江川氏だとまで名前が取り沙汰され始めた。

 驚いたことに、その噂に「依田、江川」の名前を球団副代表に番記者らがぶつけたところ、
「今はそういう事を申し上げる段階にない」と答え、記事も『明確な否定をしなかった』と結ばれてしまっている。『ない』と答えないから疑惑を呼ぶのだ。

 30年来の知己、西村さんにも会って二人だけで話をしたが、まず間違いない。
 西村さん以外にはいない。
 具体的な根拠をここでは挙げたくないが、ニシさん以外に”もし負けが込んできたら”どうするのか、とシミュレイションをしてみたらどうなのだ。
 こうした危機になって、兵を動かせるのはやはり「足場」があるかないか、または監督がよほどのカリスマでないかぎりあり得ない。

 こうした角度で考えてみる。

 仮に「ニシさんを斬って、その二人のどちらか」を監督とした場合。
 
*与田

@かつて実質1年だけロッテに在籍したものの、1試合も軍経験なしで退団。球団内に足場も人望もない。
@スポニチがなにが本当の目的なのか、「与田監督説」を流しているが本人の希望なのだろう。
 そこには与田の”実績”として、09WBC投手コーチとして優勝に導いた手腕を球団は買っている…とあるが、ちゃんちゃおかしい。同じ投手コーチでも「ブルペン担当」がすべての投手力に影響して優勝させてしまったらこんな一大事など他にはない(笑)。

 また、同ブルペン担当を、総監督の原氏が「大リーグ中継などでの卓越した野球理論を評価」したため…とあるけれど、そりゃあずいぶんとパティキュラスな考えだ(笑)、あの程度の解説で済むなんて…と、幾度も当『・・・日記』ではヤリ玉に挙げさせてもらった迷解説者。単にNHKに一定程度確保されている『星野仙一サン枠が空いていたから…』でしょ。

 なにより、『ブルペンには広島の石原(捕手)が仕切って頑張ってくれていたんであれはちがった』と、戦後に伊東ヘッドコーチがボクに直接語った言葉だった。
 え?与田さんって、そこにいたの?


*江川卓

@まだ、「旧悪」のイメージが根強く残る同氏に、「清潔感を第一」に求める製菓産業のロッテに彼は絶対にフィットしない。社内的に無理である。もっと毒が抜けてからだろう。

@ナベツネが計らずもバラした事だが、江川氏の場合「(巨人の)監督業」よりも「日テレ解説者・タレント」としての収入の方が上であり、ナベツネの『云うほどの金額は監督の給料では巨人軍でも出せない』状況は今も変わっておらず、ましてやロッテの場合はボビーの馘首によって、『より小さな安上がりの政府』にしなければならない…という今回の粛清の大義名分が足下から崩壊する。

@日テレの経費節減は、こうした鮮度の落ちた者の『固定経費』を見直しているさ中であって、「独占契約料」などの削減は必至とあって、読売系列の御用新聞であるスポーツ紙が『江川説』を押している現象ではないかと、ボクだけでなく正しく冷静な分析した人がいる。
 「報知は江川を監督にしたいということやろ」。楽天・野村克也監督は、今回のロッテ・江川監督報道を簡単に切り捨てている。
 「巨人軍監督(や星野監督)」のメは全く消えて、日テレからも経費節減、つまりロッテあたりで監督の席があるのでしたらどうですか?という、スポーツ報知”官製の再就職誘導”と観なくてはならない。

 +++++++
 こうしたオフシーズン前の人事に関して、まともな言葉をマスコミを始め外部に球団上層部が漏らすなど『信じる方の頭がおかしい』。
 あんたが欲しい、とプロポーズをするのはそりゃ勝手だが、実際のビジネス社会においては得な商談のやり方ではない事はたしかだ。いや、バカな商談である(笑)。

 相手のAが『オンリーワンよ』とラブコールしながら、自分Bと契約したいと言ってきたら、間違いなくBは、Aに契約金の値段をふっかけることだろう。

 そのかわり、Aが『Bもいい、Cだっている、与田だって…捨てがたい』、こう云っていたとしたら、まずBは「契約してもらえるなら…」と、Aの言い値でおそらくオチることだろう。

 だから、メジャーリーグでの入団、FA契約などで、景気の良い金額がトバされるけれども、それがいかに根拠もなくマスコミが勝手に書く飛ばし記事か、ボクは選手、球団、マスコミの3社の等距離に立っていた時に笑っちゃうほどにびっくりしたものだった。

 誰も数字さえ出していなくても、
 常套句の『ある球団関係者が語ったことろによると…』などという、こうしたデマ記事に共通する重宝な「ウソ接頭語」を掲げれば、記者はどんな作文でも書けるものだと舌を巻いたものだった。

 あるメジャー球団GMからのオファー提示を、代理人や本人(にボク)らで待っている最中に、早くもスポーツ紙が接触したこともない球団が、『XXにOO万ドル提示』したと、『球団関係者が語っている』と書いてあったので腹を抱えて笑った思い出がある。

 与田に江川両氏、こうしたものを俗に『アテ馬』と、日本語では呼ぶものだ。

 それから、球団関係者(こっちはホンモノの 笑)にイベント後尋ねられた。

 『「年度タグ」の入っていない、「ある大物が着た」…というフレコミのウチのユニフォームがある…というんですけど、前野サンだったらいくらの値段と鑑定しますか?』となんだか、ニヤニヤしながら訊いてきたのである。
 「え?それ古いんですか?」

 『ええ、まぁ、「ウチの監督のもの」ですが。』

 「『年度タグ』がない?、そりゃダメですよ。ニセモノです。応援団で着てもらうくらいしか価値はないですね」
 『え?ただ!』

 「はい、2万円くらい?そんなタグのツイていないもんは球団に納入されていない証拠ですもん。」
 『いや、「タグの着いていない時期」もあったんじゃないですか?』

 先ほどの『鑑定大会』に登場した、ジョニー黒木さんの引退前の復帰シーズンの年度が印刷された「年度タグ」をさして参加者の前で説明を加えていたため、不審に思っていた『タグなしロッテユニフォーム』の件について尋ねてきたのだろう。

 「『年度タグが付けられていない例外』? そりゃない、いや、ないです。それじゃあ製造元のデサントと、問屋役のイソノさんの伝票が切れませんもん。」
 『え?どういうことなんですか?』

 「そりゃあ小さなタグだけれども、戦後のプロ球団に進駐軍の将校用のウール生地などからユニフォームに転用していった時代から、『年度タグ』の習慣が切れた事はありませんよ。それとは何なんだか知りません?」

 『えぇ、担当が違うもんですから』
 「それは会社組織が帳簿を付けなくてはならなくなった時と期を同じにします」

 「たとえば、ロッテさんが提出する税務署への「決算書」を見たって、このユニフォームを何着『OO番という背番号のものをO年度』経費を使いXX着本年度買いました。」
 「また、2年後にはそれを『O年度もの』は減価償却して廃棄処分。ゼロにしちゃう。だいたいが『ウエス生地屋へ払い下げをXX着〜〜円の計いくらの値段で処分しています。』と申告できるようにしてある。」
 
 「会社である以上、こうした収支決算をしなくちゃダメで、それを『年度タグ』が付いていなかったら、何着も何着も球団の資産がふくらんで行く一方で、今度は脱税になっちゃいかねない。昭和20年代初頭から例外なく、そんなのやってますよ。」

 『ふ〜〜ん。そんなもんなんですか。』
 「そもそも、最近の人は知らないけれども、ユニフォームは『譲渡でなく』、あくまでも『2年間の制服貸与』なんです。おそらく、それはスポーツ界の問題ではなく、日本に会社組織というか、法人ができた段階から必要とされてきたはずで、おそらく、みなさんに貸与されている「作業着のエリ」にも同じような『年度の入った貸与タグ』って入っているでしょう?。」

 「だから、アメリカの場合などはこれを『「プロパーティ」タグ』と呼ぶ。つまり、『会社の「所有物」としてのタグ』と訳せます。」
 「『そのタグがない』と相手にされないので、偽造屋はユニフォームを犠牲にしてタグだけはがし、価値ある選手の背番号の着いたものに取り付けるという手口のサギがあるほどです」
 『前野サン、そういうモノにも出くわして見分けてるんですか?』

 「『見破らなきゃならない』ですよね…」

 このように、そうしたアヤしい品物が”球団にさえ”持ち込まれたということだろう。
 もしかしたら、この狼狽ぶり…から、いくばくかのカネをだまし取られたのだろうか。
 なんともまあ生き馬の目を抜くこの世の中、皆様くれぐれも入手経路にはお気を付けて…。

 写真下:必ずこれを食うとツキがくるNYは老舗のギャラハーステーキハウスの、ラスヴェガス「ホテルNYNY」支店での、1ポンドNYカットステーキ・無臭ニンニクたっぷり。「生はまぐりのカクテルソース添え」もいい。サイドオーダーのマシュルームで繊維分もしっかりかせぐ。

6月19日(金)  NHKの「お宝映像」  (^o^) まあまあ
 先々週だったか、NHKのBS2だと思うが(うろ憶え)素晴らしい番組をやっていた。

 企画としては2時間にわたり、『1970年の1年間の出来事』をニュース映像をびっしり固めてスタジオのパネラーに語らせるシンプルなものなのだけれども、さすがに国営放送はちがうと舌を巻いた。

 2時間の間、大阪万国博覧会をメインに据えて、パビリオンの細かい出来事、ここへの出店に社運をかけ、資本金のなんと20倍もの建設費を投じて「社名を世に広める絶好期」としてガンばった大阪の美容院用具製造会社。
 ボクもよく知る市内の《万博おタク》の現在スナック経営者にナビゲーター(シロウトなのに!)みたいな役目をさせて、当時高校生だった彼の新鮮な目からのリポートをさせていた手法がきわだっていた。

 そして『よど号事件』。
 当時のボクは高校から戻ってきて事件を知った。
 カバンを置くと、すぐに神田錦町、週刊ポストの編集部に直行。何か手伝いの仕事を求めたのである。

 この前年には『安田講堂』や2回目の『新宿10・21』や『佐藤訪米』などがあり、公安モノとしたらこの編集部では、「”被疑者側”へはもっとも顔が利く男」として、重宝されていたのである。

 それまでこうした新左翼各派は、武装蜂起だの、人民の軍隊で官邸を占拠せよだの、大言壮語をもっぱらとしていたのはどのマスコミ人も先刻承知で、何をヌカそうがどうせ絵空事と、相手にされず、いわばオオカミ少年のように無視されていたものだ。

 だが、ボクはこの《赤軍派》という組織、そして《京浜安保共闘》という二派については『かならず何かやるのでマークしておくべき』と、編集部をずっと説得し続けており、
 『ボウヤ、ホントに赤軍だったな…』と、ヘンな高評価を、この日のハイジャック以来頂戴することとなった。

 ただちに先輩カメラマンに交じって羽田から福岡板付空港に向け飛び立った。
 羽田を出た上空ですぐに乗っ取られたJAL機は、そこでクギ付けにされているという。

 だけど、ここへ来てもさすがに知り合いが犯人であるわけでもなし(笑)、そもそも滑走路上の民間航空会社のツナギを来た人々は、動きの機敏さからして、そのほとんどすべてが警察官の変装としかみえず、ならばどこの誰も近付くわけにはいかない。

 先輩が『タラップに出てきた犯人の、抜き身の日本刀を持ったポーズ』でおさえたと、大喜びしていた。
 (結局どこの社も撮っていた 笑)
 なんだか、喜ぶ基準が低レベルだなあと、内心ではせせら笑っているボク。

 どうせ当方には、彼ら正社員カメラマンの持つ、500とか1000ミリとかいった超望遠レンズなど持ってるわけねえだろってワケで、ここまでやって来た意味じたいに首をかしげていた。

 だが、ボクは彼らカメラの砲列がズラリと並ぶその反対側で、陸上自衛隊の一団と思われる2・30名が、見慣れぬ肩章付けているのを見つけ、さらに彼らがいずこかからの指示を待ち待機しているらしい…のが気になった。

 『(自衛隊が一体ここへ何をしに来ているのか)』、ボクにはこちらの方がはるかに不思議な現象に思えた。
 距離もまだ遠いので、そのうち近接したら…とシャッターを控えているうちに姿を消してしまい、それ以来『どうして?』『なぜ?』が消えぬまま今日まできた。

 だが、『(この番組内で、もしかして)』と期待したがそれはおそらく撮れていなかったのだろう。
 また、あの時のひそかな『自衛隊出動』という”隠れた大事件”は、こうして語られる事なく、闇に葬られるのだろうと思う。大人ってヤ〜ね。

 その日の夕刻近くになって、乗客の女・子供が解放され朝鮮半島に去り、解放組を乗せた特別便が羽田に向かうのを追ってボクらも帰京のトンボ帰り、彼らが運ばれた羽田東急ホテルでの記者会見にそのまま密着。
 先輩各氏らが会見の長テーブルを前に押し合いへし合いしているのを尻目に、ボクは乗客名簿が張り出してあるパネルの方へ行った。

 誰もいないパネルを眺めると、誰かかがそのカタカナ表記のエクセル名簿みたいな一覧に並んだ手書き名前をチェックしていった跡がある。チェックはほとんどの名前の上でハネている。

 『(おぉ〜そういうことか)』
 ボクは接写するようにその名簿をじっくりと撮らせてもらった。
 何のことはない、「チェックのない名前」こそ、人質乗客と確認できなかった…イコール犯人達の偽名ということではないか。無味乾燥のカタカナ表記の羅列が静かな迫力をもってレンズをにらみ返した。

 ここでもNHK所蔵のフィルムが大量に流され、事件以来、いやあの事でも目にしなかったような、青春時代真っ盛りの貴重な映像を今日この日に観る事が出来た。(どーゆー青春時代じゃ)

 つづいて驚いたのが瀬戸内海のフェリーを乗っ取った『シージャック事件』。やってくれました!
 ”よど号”から約1か月経った5月12日、当時20歳の川藤展久という若者が警察官を刺し銃を奪い、その銃で銃砲店からライフル銃カービン銃、散弾銃と実弾約400発を持ったまま、仲間の奪還を叫び、フェリーの乗客をタテに瀬戸内海を広島側、四国側と追跡する巡視艇をほんろうして、松山港に接岸させてライフルを撃ちまくった。

 ボクは学校の行事で(「社会科見学」? 笑)で出かけており、昼食に入ったドライブインでのニュース映像で事件を知った。
 各社とも撮る場所が制限されていたのだろうが、どれも川藤の上半身が画面正面を向いている状態での生中継画像だった。
 ライフルスリングを肩からおろし、何やら大声で岸に向かって叫んだ…ので、カメラが彼の赤いチェックのシャツにズームインした、たしか記憶ではテレ朝系のカメラは川藤の上半身を画面いっぱいに寄った。
 その瞬間!パァ〜ンと乾いた音がして、左胸を警察狙撃犯の一発必中の弾が貫いた瞬間だった。

 この映像は衝撃的だった。ボクらが幼いころからやりまくってきた「鉄砲ごっこ」で”演技”とまったく同じウリふたつの動作をして崩れ落ちる…なんてことを、「ホンモノ」もするものなんだと初めて知った。

 ビクンと驚いたようにして手にした双眼鏡をすっ飛ばし、まずその場にぶっ倒れ、それでも片手でデッキの棒をつかみ身体を持ち上げてこようとする川藤の姿。
 おそらくこの瞬間、視聴者全体が『うあ、やばい、もう一発撃たないと』と日本中で声を挙げたところだろう。

 だが川藤はそこで崩れ落ちて、二度と起き上ろうともできず動かなくなった。直後、元気に二階デッキ上に飛び乗った私服警官が確認して出した『OKサイン』には、かなりビックリしたものだった。

 なんちゅうナマ映像だ!

 今の世の中では突入班と、取材側との協定があって二度とこうした決定的な映像は流れないよう、あくまで自然に上手なニアミスに終わるよう取材者らとの申し合わせがなされており、そうした部隊には”そうしたマニュアル”が配布されているものだ。

 これを撃ったのは大阪府警のK川巡査部長(当時)、ライフル狙撃班の射手であった。
 これが今でいう『SAT』部隊のはしりなのである。

 この映像で、川藤の顔にモザイクをかけたとはいえ、このNHKの番組は流した。
 すごい、えらい!もう一度見たかったのだが、とっくに諦めていたのだった。
 あれだけぶっ放していればこうされるのは当然だし、なんたって、川藤のすぐ裏、背後には船長以下操舵室の乗務員らがいるわけで、これ一発外してしまえばすぐに犠牲者がドッと出るシチュエイション。

 妹?や父親がフェリー乗り場から川藤を説得したが効果はなく、その上での射殺劇に、
 『仕方がない、これでよかった。こうして死んで始末をつけてくれてよかった』と、父親は肩を落としたのが印象に残っている。

 『前野サンね、日本の警察はこの事件以来、テロリストだとか相手がよっぽどの状況じゃないかぎり、「射殺せよ」という命令は出なくなったんですよ。』
 こうした一線部隊で”現場の指揮”を執った今は亡き『SIT生みの親』は語った。

 『この事件でね、ヒダリの弁護士がね、撃った警察官を「殺人罪」で告訴したんですよ。日本の警察にはこれがトラウマになってましてね。たしかに部下を「殺人罪の裁判」に行かせられないでしょ。』

 これはどう好意的に解釈しても、銃器のおかしな運用の仕方だと思う。
 『お前らが撃たれたら、撃ち返していいということか?』と前線から指揮官がこうツッコまれても、おそらくこう言い返すだろう。
 『なるべく、殺さないように撃て、どうぞ。』あたりに落ち着くことだろう。
 
 最後までおやっさんは明かさなかったが、警視庁のその上、(国家警察としての)警察庁長官、内閣官房企画室、総理大臣の意向までおそらくは『決断』には関係するのだろう。
 そこで彼らが心配するのはあくまで、『国民の顔色』なのである。

 こうまで我慢してその上で『守られる事』といったら、どうもボクらの安全とかではなく、あくまでもキャリア官僚サマの『事無かれ主義』を守るために、一線部隊が少々犠牲になっても仕方がないとの解釈しかできないようなのである。

 Kさんが放った、豊和ベアライフル銃は、100メートル離れた距離から「水をたっぷり入れたドラム缶」の中心部に命中させると、そのドラム缶内の水が一瞬で半分は無くなる威力がある。
(これだけ距離があると、こうした破壊力は大げさになるものだ)

 その同じ弾で撃ったのである。
 しかも近距離、おそらく射程30メートル内外のレンジで撃ったようだ。
 そして弾丸は貫通してゆく、(上記ドラム缶の条件だと、貫通せず缶内で弾丸が暴れるため内部ダメージが大きい)そのためかえって川藤の左胸、心臓下をヒットしていたというのに、ああして《断末魔以上の動き》ができたという態様になる。

 必死のやり取りだって、それだけのズレや見込み違いが当たり前に発生するものだ。
 一方的に「撃つな」という命令は、警察官という一人の国民の生きる権利に対する冒涜でもある。

 イスラム法典ではないけれど、右腕を奪った犯人には右腕を自ら差し出すような覚悟というか、潔癖性が欲しい。おそらくはこれだけ殺伐としてくると、それだけの犯罪に手を染めようという者が後日「人権」などを訴えて出ても、もう国民の側がバカヤローとばかりそんな身勝手は許さない雰囲気が出来上がっていると思う。

 このヒダリの弁護士サンに於かれましては、川藤存命中に、どうして自分らと人質との交換を申し出てくれなかったかそれが不思議でならない。

 また次回が続くそうだが、『1971年』か…、次が待たれるのである。
 やっぱ、民放はこうなると勝てねえなあ。 

写真下:《価値ある指》あるパーティでお会いした、退職したばかりの、直前『SAT隊員』狙撃の引き金を引く右手のひと差し指。 

6月15日(月)  ”毒の舌”秋本久雄という男 A  (^o^) まあまあ
 案の定、『野郎』はこちらの罠にはまってきた。

 《XX選手ルート》を活かせるかもしれない淡い期待を抱いて、すでに逮捕状の出ていたこの秋本久雄はやっぱりウチへサグリを入れてきたのである。

 そう、野郎のパターンをヨんだボクは、家人・スタッフに
 『野郎は電話を必ず掛けてくる。そこでの反応でサグリを入れてくる。そこで敏感に様子をうかがうだろう。そして「マズイ!」と思ったら電話を切られて、そこで一巻の終わりだ。』
 
 受話器をとって
 『「秋本だ!」と思ったとたんに冷静になれ、そして”怒鳴れ”。』と指示した。

 『なにやってるんだ。みんなが心配しているのに電話も寄こさないで!…そういって怒鳴りつけるんだ。そして「社長が心配しているから」といって、ボクに代わってくれ』

 ほんの3・4日後のことだった。やっぱり電話が鳴った。
 その直後、ボクへの内線が鳴り響いた。
 『秋本サンです』やっぱり引っかかってきた。

 『もしもし・・・シショウ・・・ほんとにすみません、秋本です。』
 この小声で途切れがちな声はいまだに警戒を絶やさず、油断できない様子だった。
 『なんで、連絡を取ってくれないんだ、バカ野郎。みんな心配してるんだ』

 こちらも心配している演技をして居場所を訊くと、『今は渋谷だ』という。
 『国体の相撲大会の事で、岸体育館にきているんです。用が終わりましたら直ちにまいります』という。
 野郎はいまだ反省をしていない。

 場合によっては自首を奨めようとしたけれど、このひと言で完全にこれは100パーセント、もはや《負けられない闘争》となった。

 アマチュア体協のある《岸記念体育館にいる》…と称することは、野郎のカタる、『東洋水産副社長であり、田中監督の弟子であり、同志社大学相撲部監督…』としてのキャラを未だにまとっている事を意味した。
 野郎はシオらしい言葉遣いながら、しっかりオレたちをターゲットとしたまま狙い続けていることをも意味している事にほかならない。

 『今はまだ所要があって2時間後に来い。メシでも食おう』と、子供を叱るようにしたあとに、ホッと落ちるように持っていった。
 今度は「迎撃戦」である。
 届の出ている港北署からは急いだら60分、いくら混んでいてもサイレンを鳴らせば90分で到着できるだろうとフんだ。担当部署のFAX番号を訊いた。

 駅からボクの仕事場までを結ぶルートは、数が多いため簡単な見取り図、道路関係、駅地上出口、交番など見取り図を描いてFAXする。
 勝手の判らない神奈川県警では、逃走があった場合や、スムースな確保まで、要員配置などで役に立つだろうからだ。

 相談の上決まったシナリオは、わが流体力学に向かうため、駅前に降りたったところを、届けの出されていた神奈川県警港北署の署員が包囲しこの男の身柄を確保するというもの。

 『野郎は身体が大きいんで抵抗された時のために、機動隊出身者6名も連れて行きます』と、思わぬ獲物にアオキ課長の声は電話口で弾んだ。
 署轄の荒川署からは応援要請しないつもりらしい。

 90分後、駅前に目立たぬようマイクロバス2輌、私服車1台が分散して音もなく停められた。
 そうとは知らぬ秋本が、駅を降り立つと、前後左右から中心点を求めるように、そっと放射状に展開していた捜査員らが、ゆっくりと秋本との間を詰める。

 秋本が横断歩道で信号待ちで止まり、青に変わって歩みを始めたとたん、その団体行動は鮮やかだった。
 背後は二人が固め、中ほどまで渡ったところで両脇から捜査官が名を呼び掛け、秋本がギョッと目を丸くする。そして軽くうなずいたのが見えた、目の前からも3人組が正面からフタをする。

 ほんの10メートルも離れていない交番で立ち番をする荒川署の警官も気付かぬほど、その連行劇は静かにほんの一瞬で決着がついた。
  (そこまで捜査に協力しながら、港北の担当者からは感謝のひと言もなかった。)

 そこまでの自供はしなかったようだが、野郎はボクを足掛かりにして、スポーツ界や『なんでも鑑定団』出演大物タレント氏らへの大勝負を目標に、触手を伸ばそうとして店に入りこんできたようだった。
(その準備段階なのか、NBAモノに強い渋谷のカードショップに店員として潜り込み、退職したうえでやってきたのである。)
 それにしても幸いだったのは、その準備段階で、虚構にホコロビがわずかに生じたため、こいつには内緒にしたまま「秋本の友人」をチャンネルにしてシッポをつかむことに成功した事だった。
 それにより、幾人もの被害者らの溜飲を下げて、多くの被害者候補の方々には何も知られぬまま奉仕できる結果となった。(A・Bさんには言葉もないが)

 秋本久雄という男こんな人生だった。
 こちらが把握できているものだけだが、葛飾区生まれで、若貴兄弟の後継として「ちびっこ横綱大会」で横綱を引き継ぎ、相撲部屋直結やら、私立中学・高校の相撲名門が秋本をめぐり、スカウト合戦を展開する。
 この時点から、カネが秋本の目の前を往来したのは想像に難くない。
 そして中学選びは当時売り出しを図っていた、四国は「明徳(義塾)中学」に特待生で入学。
 明徳中学在学中から近所の飲食店となじみになって、ときには率先して洗い場に入って皿洗いを買って出るなど可愛がられて信用させ、やった事はよくて「ツケの踏み倒し」。

 ヘタしたら、店の主人に追求されると
 「申し訳なかった。急いで東京の実家へ行って金を取ってくるから、旅費を立て替えて」と必死の形相で頼み込む、だがそれさえもかすみ盗る、根っからのイヌ畜生だった。

 いっぽう《全国中学相撲選手権》に出場し、中学2年3年と史上初の連覇を果たすかたわら、近隣の食堂を片っ端から呑み&食い逃げに「寸借詐欺」…出入り禁止、学校側からのもみ消しに力を借りて、相撲&詐欺の人生(笑)を本格的に開始した。

 今回本件の調書で、秋本は自分の詐欺人生についてこの当時のことをこう述懐している。
『自分は小学生の時分から力士として、将来を嘱望され(*)、高校入学時には自分の後援会ができていたほどでした。そこで、「50万」「100万」という祝い金やらご祝儀をポンと貰うなど、すっかり金銭感覚がマヒしたものですから、食事をするにしても高級ホテルや一流の店のものばかりにしか目がいきません…(後略)』
 
 朝蒼龍の大先輩として(笑)高校卒業後高砂部屋入り。
 半年もたたずに付き人となって預かった財布からカネを抜きまくり、摘発しても反省したふりをして…と繰り返す。もとより近隣の飲食店では学生時代にならした「調子良さとセットのツケの踏み倒し」。
 ここでも高砂部屋は幾度もケツを拭いてやった事が裏目になって甘やかす結果に。

 結局、部屋の先輩の預金通帳を持ち逃げして逃走、結局たまりかねてこれが警察沙汰に発展。
 初の社会面デヴューとなった(笑)。

 各界追放を受けて、日大田中監督に人を介して頭を下げ、日大相撲部への編入という甘さも、体重130キロという恵まれた体格が相撲関係者らが処分を厳しくしようとしなかった重要なファクターである。
 日大へ来たら来たで、今度は監督の夫人が経営するちゃんこ屋に出入りを始め、被害届の出ない寸借詐欺を数多く繰り返す。夫人は監督に迷惑はかけられないと、それらを耳に入れないのが災いするのである。
 そして部員からも盗みや寸借して踏み倒し、1年持たずに追放となって、「現在」にいたる。

 それにしても例の今回の検事調書で読み上げられたような
 《将来を嘱望されて、中学時分には50万100万というカネが行きかい、金銭感覚がマヒした…》
 この供述をツッコむならば、早い話
 『自分がこうなったのは、すべてヒトのせい』として、責任転嫁していると、ボクなら怒鳴りつけてやる。
 どうしてもそうとしかボクには解釈できないのである。

 つまり、「再犯のおそれは十二分にある」ということだ。あくまで自分が悪いのではなく、チヤホヤした世間が悪いとしている以上…。

 秋本は、被害者の貯金通帳がすべてカラになるのを見計らって、そこではすでに次の女へのアプローチを終えている段階だ。そして次…からカネは引っ張り続ける。
 自動車のミッションで例えるならば、マニュアル操作がギアチャンジの際に、「一瞬の空白」をつくるものだ。

 ところが、秋本というミッションは『オートマチック』であって、次の犯行までに何らラグやらロスもなく、一気に幾つもの異なった対応をスムースに、ゴールまで昇りつめてゆけるという、巧妙で人の心というものになんら躊躇がない態様なのが特徴的である。

 その『終着駅』における秋本の《赤い糸》の断ち方がいかに非情なのか、ぜひ被害女性らの声を聞いてほしい。
 前回のAさんの場合は婚前旅行も終え、結婚式の予約と段取りを二人で都内高級ホテルの窓口で行った。
 『天下の食品会社の御曹司の、そっと執り行う華燭の宴』を先に控えて、その結納を執り仕切れる手柄に、挨拶に来た料飲部長氏の心も躍るところであった。

 Aさんは婚約指輪も買い、また秋本に”買ってやり”、その晴れの日を目前にして、学校から有給休暇まで取ったところで「連絡不能」…と、絶望の淵に叩き落とされる。

 Bさんとはその前段階で北海道旅行をはじめ、こちらのほうも道内とはいえ婚前旅行も済まし、横浜もマンションも結局は彼女のカネですべて用立てたところ、連絡がプッツリ取れなくなった。

 実はこのマンションにはA・B両嬢はじめ、あらゆるターゲットから電話が入ってきたが、何故か離れた場所のBさんの電話だけは”選択して”受話器を取らなかった。

 もうメッキがはげ始めたか、『返済して』と当然の要求がBさんからもっぱらとなると、電話機が鳴っても取りたくはない。
 それが、そうした時にかぎって出先の秋本から電話がBさんの元に入った
 『連絡が取りにくいけれど今は仙台に来ているんだ』とか、携帯電話からそれとなく”連絡の取りにくいワケ”を問わず語りに疑問を埋めておくのだ。
 それが「自発的に申し出て」くるため、電話不通への追求も自然とゆるむ。

 詐欺師とヤクザは、電話連絡が生命線である(笑)。
 電話が鳴ったら相手がだれであれ、それは受話器を取らなければならない。
 だがとってはマイナスになる場合も多いわけだから、(今とはちがい)取り分けられたらそれは彼らのような”商売”では夢のような話だ。

 じつはこの『取り分け』のトリックにボクはピンと来るものがあった。
 というのは、このマンションを秋本が見つけてきたその月から1年間、じつはこの神奈川県内に限り、NTTは新しいサービス『ナンバーディスプレイ』を試験的に始めたからである。

 いまでは携帯電話が日常化して珍しくはないが、当時全世界で、固定電話にかけてきた相手先の電話番号がディスプレイされる電話機機能は唯一、神奈川県内エリアのみ利用できたのである。

 秋本はこの機能を最大限に活用した、世界で初めてのサギ師ではないかと思う。
 これを、自分に都合がよい時にだけ受話器に出たり、決して出なかったり、120パーセントこの機能を悪用して、良心の数々をウラから手玉に取ってきたわけなのだった。

 ボクをここまで本気で怒らせたのにはもう一つ、結婚詐欺ではなくて「裏口入学あっせん詐欺」を同時進行で着々と進め、まんまと成功させてきたことにある。

 相手は、前記《ちびっ子相撲》の大会に参加した小学6年生と、その両親が毒牙にかけられた。
 例のごとく、自分は日大OB、『同志社大相撲部監督』のキャラ、何よりもこの場合、テメエが《ちびっ子相撲》の横綱経験者である事をフルに利用したのである。

 『自分の先輩が、(若貴の巣立った)明大付属中野で監督をやっている。お宅のお子さんにも王道を歩いてもらっては…』と持ちかけた。
 親としては、勉強よりも太った身体だけがとりえという息子には願ってもない出逢い。

 ある卸市場で手広く仲買問屋を営む二代目夫婦は、モロ手を挙げて秋本に全幅の信頼を置いた。
 運動資金は1000万円。

 やれ、『(アマ相撲界では絶大の信用誇る)日大田中監督にあいさつ料が要る』とか、『明中へのワクに入れてもらうための工作…』などなど。
 『自分は将来性があると見込んだ、このお子さんのためのボランティアだが、なにしろ学校の人間相手だと…色々と』ウラ金が欠かせないと、”集金”にやってきた。

 ある日などは、こともあろうに田中監督の夫人が経営する、あのちゃんこ鍋屋に招待するなどの念の入れようだ。更生を装ったのだろう。おかみさんは喜んだという。

 新たなだましを田中夫妻に頭を下げた上での”舞台装置セット再設定”工作を確保して、万全の構えで臨んだのである。

 何しろ親としてみたら、プロへの道はともかく、高校も無試験だし大学は明治までと、一挙にセットで手に入るのである、エスカレーターならぬ”動く歩道”状態である。

 明治中学の試験は毎年2月半ば。
 その試験日まじかだというのに、秋本によれば『試験は受けなくてよい』という。
 両親は困惑した。
 『一応試験は受けさせて、ゲタをはかせるものではないのか。』と訊くと、
 『このルートはまったく別ワクですから、大船に乗ったつもりで』と、秋本は笑った。
 
 そのかん、大阪で年に一度の相撲のオープントーナメントである《天皇杯》に監督自身が出場すると、いうので(その親子や)、つながりはなかったがボクらのほうも「だったら応援に行く」とまで盛り上がった事がある。
 ところが、その1週間前、突然けいこ中に「腕を骨折しました」と、本当にギプスで左腕を固定して首から吊り、大きな身体を現した。
 『無念です』とがっかりして見せたが、これと同じ演技をあちこちでして見せて信用の上塗りを図る芸の細かさなのだから舌を巻く。

 そうして2ヶ月後、めでたく、『おめでとうございます。入学が決まりました。O月X日です』と、連絡してきた。
 それも手ぶらではない。
 『私からのお祝いです』といって、その息子の身体に適わせ、「明中」の校章ボタンが入った制服を押しいただいて、自宅まで届けにやってきたのである。

 そして『お祝いをしましょう』と連絡があり、わざわざ、秋本の指定したホテル最上階の中華飯店で「入学祝いの前夜祭」の宴席が盛り上がる。ここでも酒には手を付けない。

 感激した二人の親は、一人が席を立つと
 『少ないけど家内には内緒で受け取ってくれ』と、100万。
 餅つきのように、今度は亭主が席に立つと、夫人が
 『主人には内緒で私から…』と100万。

 まったく気の合った夫婦である。

 これで〆て1200万円。
 秋本は『ではO月X日、入学式を忘れないでね』と別れ際に声がかけられた。
 後で気が付いてみると、この夜が秋本との最後の別れとなった。

 その待望のO月X日は晴れだった。
 両親はビデオカメラも新調して3人は盛装して『特待生待遇の入学式』というものを満喫しようと、明大中野中学の校門をくぐった。
 貼り出されているクラス別の新入生の座席配置。
 『・・・・・・・・・・・・・?・・・・・・・・・?』
 どこにも、その息子の名前がない。
 『(そうか、「特待生」であるゆえんか)』と、教員らに名を告げるが誰も相手にしない。

 では相撲部監督をと、さんざっぱら名前を聞かされてきた者の名を尋ねてみるが該当する人物は架空だった。
 秋本の横浜のマンションに電話をかけるものの、むなしく呼び出す音ばかりで誰も応じない。
 例の電話番号がディスプレイに掲示される間、秋本はペロリと赤い舌を出して無視するのみなのであろう。

 桜の花が散る中、親子3人はさんざめく入学式の喧騒の音から次第に遠ざかる。
(このあと、同情した心ある方が某校相撲部への特待生進学をお膳立てしてくれる…というコペルニクス的転回があって、この子を悲劇のどん底から救ったというもうひとつのエピソードがあった。)

 こいつの逮捕2月11日はボクの誕生日(笑)。
 この二・三年ずっとこいつの事がボクの念頭にあって、このクソ野郎に仮出所などが付かなければいいなと、警戒だけはしていたのである。

 『出所したら必ず犯行を重ねる』とボクは確信している。
 また同じような手口で同じような被害者が泣く事になる…。
 もし、更生していたら…、まさかなあ…。でも更生の足だけは引っ張れぬ。

 だが、確信しているボクは思いきって『名誉棄損』などを顧みず、こいつの今までの手口や被害者の様子などをこうして当『・・・日記』に書こうか書くまいか、いやバラすべきかそ知らぬままにすべきか…と深く迷っていた矢先に、このニュースが報じられてしまった。

 最初はマスコミも、このニュースヴァリュー大きさが判らずに、スタジオにパネル貼りにしてある新聞早読み(パクリ)コーナーでも、パネラーが読み上げた隣にある「赤枠に入っていない囲み記事」のほうの見出しに
『セレブかたる力士、結婚詐欺で逮捕』という見出しが目に飛び込んでいた。(パネラーは通過していった)

 それが目に入った途端、すでに野郎が出所してしていた事を知った。
 『(しまったやられた。秋本だ!)』地団駄を踏んだ。
 その見出しだけでボクには十分だった。

 このクソは、人間という生き物とはここまで非情で、他人を傷付けようがなにしようが、平気で金を欲しがり、反省する事もなく、それをまた繰り返すもの…という、人間としての恥ずべき悪例の極点にある。

 これを指弾して狼藉を阻止しようとする行為を指して「人権侵害」というがいい。

 裁判でもなんでもボクは、反省をしているならば、被告人の更生する可能性をあくまで信じてあげたい。
 前回の被害者Bさんという女性との接触過程で、一級建築士という人種の『役作り』を身にまとってきたのは、この直前までの法務省管理下の”矯正機関での矯正結果”だったわけなのか。
 これではあまりに司法も行政も救われない。

 矯正を強制されていながら、こいつは出所するたびにウィルスのようにさらに凶悪化している。
 このことは、裁判での判決へきちんとしたマイナスセンテンスとして計上されているかどうか。
 これで矯正などといわれては、あまりの無力にせせら笑うしかない。

 どこかの少年院に倣い幾人もで暴行するとか、名古屋刑務所のように真冬に懲罰房で真っ裸にしたうえ、床掃除と称して消防ホースでケツの穴に水を直射して水圧で引き裂いて死なせてしまわない限り、世の中に向き直って正義の行使をしたとは言い難い。
 いっそ「春日野部屋」へ出げいこに行かせてそこの被告らに罪滅ぼしとして、ビール瓶、金属バットでの攻撃をこいつに集中させ、せめて世の役に立ってほしい。

 人権尊重も結構、だが、こいつだけは別である。

 ただ、本件についてはどなたの被害者がよかったのか、届けを受けた高輪署の動きがドチャラのケーサツとはちがって素早く秋本の銀行口座まで抑えたのは素晴らしかった。
 手つかずの1900万円がおさえられたため、せめて被害者側への救済が望めるというものだ。

 シロウトに(指図を受けた弁護士から)看守係にまでつつかれて、所持しているローレックスしか奪還できなかった前回と比べれば雲泥の差ではないか。
 いずれにせよ、どうせ他のプロ詐欺師と同様に、ムショに入れば『模範囚』で日々を過ごす。
 彼らはシビアだ。
 一刻も早く”戦場に”復帰したいため、担当看守への最高級の態度で臨み、掌中に収めてしまう。

 だから、またヤツは5年も入ったところでまた『矯正済み』としてシャバに出てくる。
 どうか、近隣の独身キャリア女性、とくに
 『炊事・洗濯・掃除のダメな方』にはマークしておいてほしい(笑)。

 そして、『最近お金持ちのカレ氏ができて…と、いうご仁』を見付けたら、ひょっとしてこんな野郎じゃないか?と尋ねてほしい。この二回にわたった記述もコピーして見せてやってほしい。
 たいへん特徴的な身体的特徴と、ワンパターンな手口の野郎だから、きっと被害も最小限で済むだろう。 

 今回の3500万円ブン獲られた女性は、
 『世の中には、憎悪・嫌悪・怨念などいろいろと言葉はありますが、私たち(母と子)すべてを奪われた者にとって、この感情を語れる言葉などはありません。もう生活してゆくお金もないのです。どうか裁判長様には、秋本には厳罰で臨んでほしいとお願いしたい思います。』

 Bさんはありとあらゆる、用立てをさせられた後、ついに
 『もう口座にはお金がない』と言ったところ、秋本はこう伝えてきた。

 『もう心配は掛けない。二人で一緒にニューヨークで住もう』

 成田を発つ飛行機が出るその当日、彼女は自宅で、『かかってこない秋本からの電話を待ち続けていた』そうである。

6月13日(土)  セレブ詐欺師「秋本久雄」 @  (;_;) 最悪
 『わたしが、今までサギに引っ掛けた被害者の(女性の)方たちはどれもみな、「炊事・洗濯・掃除のできないヒト」たちでした。』

 ボクを始め、806号法廷の20人ばかりの傍聴者は一斉に見た。
 裁判長に向かいこちらを背にしてブルブルと小刻みに震え、ハンカチが絞れるほどに握りしめたままに立ち尽くす、被告人の大きな背中をあらためて見上げた。

 その傍らの担当の検察官が、この生まれてこのかた40年あまり「サギしかしたことのない男」が取り調べの席で語った人生をまとめたものを、代わって読み上げている。

 検察官の身長も、ほぼ同じ175センチ相当だろうが、被告人の140キロある巨体とは対照的に、色白でやせ形、その半分にも満たない体格のスーツの男から、警察での自供(供述調書)を勝ち誇ったかのように、耳のそばでこうして読み上げられている。
 冷静に事務的に言葉を並べようとしているのだろうが、時たま興奮したように声の調子もハネ上がるのは、供述内容につられる義憤が間欠泉のように沸き上がるためか。

 『…ですが、そうした彼女らはいちように「自分へは(結婚した後に”夫”となる男ゆえに)カネを出して応援しようとする」らしいのです。彼女らは誰もみなセレブになろうとカネを惜しまなかった…』

 また、この男の”毒舌”にだまされた被害者が出た。
 いつものごとく狙ったのは母子家庭、母一人娘のOL一人。
 今回も3件あまりあるのだが、まだ審理は進んでいない。
 この一件だけで被告人 秋本久雄は3500万円を引っぱり出し、遊興費、贅沢三昧に浪費した。
 18年間勤めたOL生活から貯めていた給料約3000万円。

 『本来は好きな旅行もおしゃれもしないで、貯金してきたものです』と、そのOLは検事に語った。

 それを、”将来の亭主”が設計事務所の権利金が僅かに足りなくなった…から、「受注しているホテル建設工事の入札に急きょ必要になったから」から始まって、
「〜〜さんの挨拶に行くには手持ちが足りない」とか、「結婚したら一緒に乗る予定の高級車の頭金が、金曜日だというのに銀行口座が不足しているので、このままでは落ちてしまう、一時的に立て替えられるか」…などなど。

 被害者の母は母で、検事に対しこう供述する
『古くなった家を建て替えようと考えていたら、「”お母さん”そんな事なら僕にまかせてくださいよ」と秋本は改築計画を買って出た。そのうち設計図などまで作ってきてくれる(*註)などして、「三人で一緒に住めるよう考えたもの…」と言っていたので私はとても楽しみでした。また、「それのための費用だから」と、私からもその一部といって、500万円だまし取っていきました。』 (* 第三者の設計師に依頼して、「設計者名」に秋本久雄と入れて信用させる材料にしたのである)
 
 「一級建築士」を名乗り、芝浦の東京ベイエリアを見下ろすペントハウスに居を構えたこの極悪人。
 前回の逮捕から服役の後、ほんの数ヶ月前に、何度目かの懲役を終えてシャバに出ると、
 『2ヵ月しか飲食店では腰が落ち着かなかった。その後、芝浦のマンションを、家賃65万円で賃貸契約し、携帯の出会い系サイトで知り合った女性をターゲットに決める。

 そして、いつものような同じ手口で秋本は『運転手つきのハイヤー』を使い豪壮なマンション最上階の自宅に案内し、食事もデートもすべてその同じ運転手を指名して同じベンツの上級モデルで送り迎えして信用させたら…ここで勝負の大半は決着するとヤツは胸を張る。
 おもむろに「本題」に入る、『自分を支えてくれないか』という物言いでプロポーズするのである。
 そうした『砂上の楼閣』にすぎないこの男特有の《舞台装置》に、女性らはコロリとだまされた。

 『各件とも共通して、そうした手口で犯行に及んだもの…』と、検事は調書を声高らかに読み上げる。
 こいつの巧妙なところは、相手の女性らに『カネを貸してやった』という自覚を持たせず、どうせ将来は亭主になるのだから、当座の足りない分くらいは私にだって…と、
 いわば『投資をさせるつもり』に持ってゆくところなのである。


 何度となくこの男はシャバに出てくるたびに、繰り返し犯行を重ね逮捕され投獄されてきたものの、今まではちっぽけな新聞記事でわずか数行でしか取り上げなかった。
 それがこの常習者には”無関心”が救いとなって、同じ所業を繰り返す温床となってきた。
 まさにフリーハンド、この男の犯行態様を甘やかせ、それが逆に被害者側への容赦ない残酷なまでのさん奪ぶりを呼びこむことになった。

 だが今回ばかりは、朝蒼龍、土俵リンチ殺人、大麻と続いた角界の不祥事だ秋本に災いした。
 つまり《相撲つながり》で、面白おかしさだけを求めているマスコミには格好のネタとなったからである。さすがにこれだけ犯行と逮捕を重ねていたし、僅かな大相撲歴とはいえ立派なネタとなったのだろう。

 この事件についてはこの2月、テレビ・新聞・ワイドショウで繰り返し報道されてきたので記憶に新しい。
《セレブかたる元力士、常習結婚詐欺》
《「一級建築士」名乗り、超高級マンションが舞台》
《お台場マンションにリムジン、元力士逮捕》

 アレの裁判が先月から東京地裁で始まっている。

 同じ詐欺でもこうした結婚詐欺事件の裁判では、傍聴席で被害者の姿を見ることはないそうだが、本件でも1審2審ともにそうした方は見受けられない。
 これもいけないのだと思う。被害者当人が睨み続けてこそクスリになるのである。

 第一回公判の倍の規模となった東京地裁の広い法廷806号。
 前回の傍聴席がわずか20あまりで、満席の「退席待ち」となるほどの盛況だったせいか、今回はラクに座れた。
 ボクはこいつを執念深く、『監視している』と、こうして身体を運び秋本を睨みつけて、犯行をせせら笑い、二度とボクの身近の人々に迫ることのないよう、警告する意味で通うことにしたのである(後述)。

 傍聴席には、前回同様詰め掛けていた3・4人組の「ヒマだけはあるらしい」主婦の同じ集合体が計2組。それと定年を終えてやる事がないから…といったオジサン族が、バラで4・5人か。当方愛読のライター北尾トロさんの外見は知らないんで、ひょっとするとこの中に?。
 いぜれにせよ、ワイドショウや活字ライターらしき人物らの姿が散見できることからも、今後詳しく映像や活字でこの男の事件は詳報されるのだろう。

 早い話、そうした生業の方々にとってはこの事件、『売れるネタ』なのであろう。

 ともあれ、この男は詐欺だけで累計何犯になるのだろうか、4犯か、6犯か。
 いずれにせよ、届け出がないものを含めたら、前歴は100を超えるだろう(笑 ごとじゃないが)。

 こいつとボクはなんと10年も前に、個人的にかかわってきた。
 以来、いやでもずい分と調べさせてもらった。

 サギにかけようとしている者に対する常套手段の、運転手つきハイヤー(日の丸交通・濃紺ベンツ500SL)も、高級店での接待といったこいつ特有の舞台装置セットも、ボクは10年前にそれらを体験していたため、検事の話を聴きながらメモをとる必要もないし、逆にそうじゃないだろ、そこはね…と、教えたいくらい《イカニモ》な事に過ぎない。

 嘘をついた事がバレて、だましていった経緯を事細かく、だました本人の前で、真相を知る者から暴露されてゆくのはこうした常習者でもかなり辛いことなのだ。

 初公判で、こいつとはバーを隔ててわずか2メートルの至近距離の目の前にボクがドカっと座り、じっくり穴があくほど睨み据えた時、明らかに秋本の巨体は揺れた。狼狽したのである。
 それ以来、常に目を堅く閉じたまま…となっている。

 目に見えるほどの汗をかき、ハンカチを幾度も持ちかえて握り替えた。すでに手巻き寿司状になったままだ。だが、ちっとも反省などはしていないことは確かで、傍聴席の皆さんにそう大声で教えたいくらいだ(笑)。

 サギ師はある意味、一生消えない病気を背負った者である。
 この男をよく知っている、ボクはかつてこの兄弟を訪ねて地方まで行った事さえもある。
 「病」を負った人には等しく同情すべきである。

 だが、この男には唾棄しかない。
 捕まったらなるべく早く、こいつらがやることは一つ。

 最初に選ぶターゲットはまず、担当の刑事をだますところから始める。
 「素直に反省する被疑者」というキャラになりきるといった騙しである。
 第二が検事。3つ目が(拘置所と)刑務所での担当看守。
 彼らをだまして、手の中に収めることから彼ら”サギ常習人”の逮捕後の処世術は開始するのである。

 毒者の方々も、どうかこうした人種について認識を新たにして欲しいし、覚えておいてほしい。
 つまり、「ウソがバレる」。
 すると、誰しもそれを「謝る」か、または「居直る」か、なのだけれども、実は”後者の方が常人”に近い。

 こうした嘘をつくのがライフワーク…といった連中は、『どう云ってこの場を一刻も早く逃れるか』といった術しか頭の中にはない。謝るなんて二の次のいわば「作戦」だ。

 つまり、『謝ること』と、『謝った内容を実行するかどうかはとは別問題』なのである。
 ハナっからこいつらとボクらは思考法が違うという人生観で臨んだ方が、被害にあわなくて済む。

 驚いたことにこんな事があった。
 前回の逮捕後、担当のベテラン刑事が日を追うにしたがって、どんどん被害に遭われた方々への態度が冷たくなっていった。
 ボクたちの協力のおかげで被害届が出て、秋本が逃走したのを負う手間も省け、潜伏を始めたこいつを確保できたというのに、ボクに対しても日を追って冷淡になっていったのである。

 ボクはそれに憤った被害者らにはこう云って冷笑した。
 『担当のアオキ刑事じたい、もう秋本に取り込まれているって証拠なんですよ。』
 警察もラクな被疑者が一番なのだ。それを知能犯らはよく心得ている。

 これは捜査という営業を楽にしてやる代わりに便宜を図ってもらうという、いわば「取り引き」なのである。

 逮捕に手間がかからなかったおかげで、刑事らは秋本本人には苦労をかけさせられていない。
 ふつう考えても、2000万円以上の現金を手にして逃走を始めた知能犯が、そうやすやすと短期間で捕まるわけはない。

 横須賀港を出港した潜水艦を太平洋上に出してしまったら、それを確保することなどまず雲をつかむような話だ。それを東京湾の内側で潜航中を逮捕させたのと同じようなものである。
 彼らの冷淡さは被害女性らから奪っているはずの金品等への追跡ぶりからも、充分に失望させるほどのずさんなものだった。
 彼らは立件ばかり進める事を優先し、ヤサの件、引っ越し業者への働きかけなどはむしろ我々や弁護士を邪魔にしているほどであった。
 つまり、それだけ港北署諸氏に対して秋本が供述にも証拠固めにも積極的だったことをうかがわせた。
(なにしろ、逮捕時に身に着けていた300万のロレックスなどは、”こちらが留置係に確認を取り、捜査係を通じて返却させた”ほどなのである 笑)

 おそらく今回も間違いないだろうが、取り調べでも素直に調書を取らせて立件に超協力的。検事にも同じように調書をスムースにとらせて、警察のカオも、検察のカオも、双方とも立ててくれる…プロのサギ師とはそんな連中だ。
 看守係の警官にも反抗することなく手間をかけさせないのはもっと基本だ。

 これがまともな神経のサギ師(笑)だったなら、情状酌量を狙って、奪った金やそれで得た金品などを被害者のへの弁済にあてて、刑の軽減を申し出るものだけれども、秋本らのような連中の場合、絶対にそれはしない。

 こいつらはそもそも逃げ方が違う。
 ある有名な引っ越し屋に委託して潜伏生活を始めるのである。
 彼らは運送業法の関係で、警察とてプライバシーの問題で勝手に荷物を開けることはおろか、保管場所さえも把握できないのである。
 ボクもなんとか前回の被害者らの間に入って奪還してやろうと格闘したが、不条理きわまる規則の壁は乗り越えられずに地団駄を踏んだ。

 その「前回逮捕の件」では、こいつは自分という主人公についてキャラは『一級建築士』ではなく
 『東洋水産(マルちゃんで有名)副社長、創業一族の一員』と名乗っていた。
 そして『日大相撲部(たった半年!)編入時に土俵で舞の海らと撮った集合写真』を秋本は証拠としてちらつかせ、『自分は日大相撲部田中監督に師事している』
 『OBとして、現在は弱体化している同志社大学相撲部の監督に就任したばかり』と名乗ってウチに入り込もうとやってきた。

 ウチにコンタクトを取るより先に秋本は、某バスケットボール月刊誌での読者ページで、『NBAファンの女性募集』と投稿し、応募してきた都立高校の女性英語教師Aさんと知り合い、これを絶好のターゲットとして上記の肩書きをひっさげ、例の手口で寸借詐欺を開始する。
 そして、ナンの事はない今回のニセ肩書き=『一級建築士』とは、前回のメインとなった被害者の肩書だったのである。
 前回の被害者との接触で、得た専門知識た用語などを繰り返しムショでリハーサルをして今回の犯行に臨んだのだろう。
 検察官はこの反省のなさ、悪辣ぶりから刑を求めてほしい。

 上記Aさんの無二の親友、その北海道某市の「女性一級建築士」Bさんが、上京の折に『私のカレ』とAさんい紹介してもらう。
 ただちに猛烈なアプローチを開始。

 ついには『遠距離恋愛』を装いタブーの火をかきたてた、ししてあろうことかその女性の高校時代の同級生で親友というにもかかわらず、ひそかな二股交際を成立させてしまったのである。
 A・B嬢、お互いが気付かぬまま、秋本は二人に見えない亀裂を見事に入れてみせ”同時進行詐欺”を開始するのだから並大抵のウソつきではない。

 北海道のBさんからは当時2400万円のカネを引っ張りまくった。 
 『Aさんとは、心がわりして君を選んだ。』と、Bさんをすっかりその気にさせ、この”将来の夫”への投資として、彼女らの尊い結婚貯金をスッカラカンにする最中だったのである。
 
 ボクの当『・・・日記』の毒者諸兄はみな賢明なのがボクも自慢だが(笑)、『そんなんで「AさんBさんの間」は大丈夫なのか』、『あまりに彼女らはおろかじゃないか?』…との疑問も当然湧くことだろう。

 秋本はその点ボクらの想像もつかないほど、スレスレのか細い丸木橋で谷を平然と渡れる大胆さを駆使して、人目を翻弄するフットワークの俊敏さがウリである。

 A・Bさん親友同士だからこそ、こう云うのである…

 『Aさんには本当に済まない事をした。一生償っても償いきれないほどの心に傷を付けた。さらにそこへキミと結婚するという言葉を聞いたら、親友だったら、B子だからこそ解るだろう。どうかそっとしておいてやってくれ…』コレモンでイチコロとなる。

 ボクの場合にも親しくしている人気プロ野球選手との間をこう割り込んできた。
 実例を挙げよう。
 その選手とボクは仕事場の電話で話している時に、2メートル離れた場所に座っていた秋本は、その用件が済むのをそっぽを向いて待っていた。

 そこで当時はまだ珍しかった、携帯電話の番号をボクが0・9・0から確認しつつ、会話内容をメモにとって行くのをひとつひとつ、秋本は暗記していたのである。

 それを、この悪魔は後日になってロード中の選手に電話を入れる、
 『失礼ながら、”師匠”の前野サンに無理を言って、このお電話番号をおうかがいしました者です。「東洋水産の副社長」をしております秋本と申す者です。XXさんの大ファンなので、シブる師匠を拝み倒して携帯番号をお聞きしました。失礼をお詫びしますがそれほどのファンなのです。』と、近付いたうえにどうしたか…。

 そのチームが遠征から帰京すると、羽田空港到着口でXX選手を待っていたのはこの秋本だった。

 『さぁ、どうぞ。XXさん先日は失礼致しました。』そう云ってニセ肩書きの名刺を渡し、出口には濃紺のベンツリムジンが横付けされている。初老のお気に入り運転手がうやうやしくドアの傍らで白手袋でお迎えする。(この日の丸交通も会社ぐるみで被害者だった)

 ”何ごとか”と瞠目するチームの同僚らを前にして、XX選手も遠慮するが
 『いえいえ、お気になさらないで下さい。会社の足として一日中使っているクルマですから。』

 そんな事が同時進行形で起きているなどと、ボクはツユほども思わない。
 一緒に外出したり、チームの同僚まで誘って出かけている事さえ1ミリも知らなかった。
 先の「A・B嬢」と同じ事が、ボクの身の上で進行していたわけだった。

 秋本の手口は、XX選手にこう拝み倒して見せたのである。
 『私が勝手のこうしていることなど、決して師匠には内証にしてください。でないと私は師匠に叱られますから…。』

 こいつのは年季が入っている。
 通常、親しい者ほど、男らしい者ほど、その堅い関係に分け入って、片方への秘密事項を言い含めるなどは絶対できないと思うはずだし、もろくも崩れ去るはず…と誰しもそう考える。

 だが秋本は違った。
 友情の団結が堅いとみなすや、男でも女でもその人脈を片側に気付かれないまま、ターゲットとしてのメリットをフルに利用してしまえるのだ。
 逆に「堅そうな団結」の方を選んだフシがある。

 結局、『前回のムショ入り』のきっかけは、ボクがこいつを逮捕させたからだった。

 その「点」と「点」が、とるはずのなかった連絡を横へとついにとり始め、『線に替えた』らしいのを察した秋本が、姿をくらました…と急報があった。
 
 不幸中の幸いが逮捕に結びついた。
 急いで調べて現状を確認してみると、XX選手のように、”ボクの背景(=ルート)”に、秋本はまだ手を着けたばかりで、これから”商売を始める”前の段階だった。

 ”バレたらしい『A・Bルート』とボクとは接点がないはず…”と、秋本は半信半疑ながらサグリを入れたい。必ずやアンテナを伸ばしてくるはずにちがいない。
 そうボクはフんだ。
 ああした連中は仕事も大きいが、元手もかける。
 もとよりケチな男なのだから(詐欺に走るので)、そのまいたタネを無駄にしたくはないはずだ。

 急いで『A・B』ルートの被害状況を把握して、全体像を把握すると、その冷酷ぶりにはあいた口がふさがらなかった。いや、憎しみはイヤでも高まった。

 NBAファンのAさんとは、シカゴでのマイケル・ジョーダン見物に行き、また別の日には、ハワイカウアイ島での『婚前旅行』まで彼女の貯金から引き出させた。
 こいつは移動の際には当然、ビジネスクラスであり、国内はグリーン車であるのは言うまでもない。
 どうせヒトのカネだ。

 シカゴでの土産に買った「ロレックスデイトナ18K」(ステン製じゃないところがイモだったが)。
 (先述したもの)この代金300万円。
 その大枚も、実はなんとBさんから引っ張ったカネであり、来ているベルサーチのスーツもすべてBさんのお金から出たもの。

 事もあろうに平然と彼女の親友Aさんの目の前である。
 嬉々として時計商から買う非情さは、人間の体内のいったいどこに潜んでいるものなのだろうか。

 『ウチの一族は親がうるさく、ボクも苦労している。将来この一族に入ってうまくやっていってもらうため、もし金が足りないなんてヘマをやったら、私ではなくてキミが”嫁として”責められる事になってしまうのが申し訳ない』と、時には座敷にヒタイをこすりつけたそうだ。
 秋本は女性たちにはこうして、彼女らの同情を買い、自らの貯金通帳を取り出して秋本の財布へと、決意を固め肩代わりをかって出た。

 ボクには彼女らを爪の垢ほども「愚か」だとか、「ダマされる方がバカだ」なんて思わない。
 愛している彼女らにとって、結婚前とはいえ『嫁ぐ相手の家のステージの高さにアジャストしようと努力する』のは当然だろうと思うし、またそれくらいの貯えがあるのなら、ボクだってそれを浪費とは思わない。

 冒頭の検事による供述調書など、検事・警察らの側は聴いていても、今回も前回と同様、被害者側の意識をまだ理解できていないなと、『秋本エキスパート』の先輩として、ボクは気の毒でたまらなく思う。

 ただ一点、不思議でならないのは、前回も今回も、秋本のどす黒い足跡からは彼女らからの『肉体的損害』について公判廷では少しも語られない事である。

 おかしなものを期待しているのではない。少なくとも30を過ぎた男と今季の遅い女性たち。結婚まで誓い合った関係であったら、少なくともそうした接触感があるのが本当だろう。
 それが前回に続き、今回もまったくなかったら、それはヘンだと誰しも首をかしげよう。

 かつてボクが週刊誌の記者時代に経験した『常習結婚詐欺師』の公判廷で、詐欺野郎にさんざ弄ばれて虎の子の全財産を奪われた呑み屋の女将(中年女性)が、こう云って裁判長に訴えたのが印象に残っている。

 『被告は私から汗水たらして貯めてきたお金をすべて奪っていきました。でも、それはこちらも馬鹿だったんだとあきらめもつきます。』
 『ですが、すっかり私を愛していると信用させておきながら、許せないのはあいつがそんな私の身体を少しも求めないまま姿をくらました事がくやしくてならないのです。』
 『これほどの屈辱がありますでしょうか、お金だけあいつは持っていったのです。このショックは一生消えないと思います。云ってみたら「女として生きている意味はない」と云われたようなものです。裁判長さん、これ以上ない厳罰しかこの男には求めません。』

 この当時扱った別の結婚詐欺常習犯も、『完全な不能者(ED)』でありながら女性を経済的にそして肉体的に虜にしていった男だった。
 だというのにこの件では、「順序」が逆だった。
 まず「肉体の虜」が先で、夢中にしてからカネをむしり取っていったという態様だったのである。
 EDというのに…。

 ところが看護婦を含む被害女性らは警察の取り調べでも、
 『思い出してみたら「道理でいつも部屋は暗かった」』というばかりで、驚くべき事に10人にものぼる彼女らの一人も被告がEDであるとは気付かなかったのである。
 なのに、快楽を求め、男の要求に彼女らは無抵抗に財布のひもまで開いてしまったのである。
 そういえば秋本は…とボクが始めたら、「おれはホモか」になってしまうが(笑)、

 あいつは酒が飲めるらしかったが、幾度かの会食でも1滴のアルコールさえも口にはしなかった。

 『なじみの店をぜひご案内したい』といって横浜くんだりまで連れて行かれた小料理屋などの場合。
 かえって、ボクに『(こいつはどこか店に迷惑がられているかもしれない)』などと、どことない違和感を逆に感じさせた。愛想の良い主人が秋本の死角に入ると、フとため息まじりにイヤそうに表情を一瞬ゆがめ、ため息をつく気配を見切ったからだった。

 終わってみれば、おそらくここからも『なにか、カスメとる計画』でもあって、ボクを連れてゆきタネを撒く意味で、信用をすり込んでおきたかったのかも知れぬ。

 酒も女も、”自分が先に酔ってしまっては、脳がフル回転しない”のを恐れていたのではないか、言葉のつじつまが合わなくなったら命取りだ。やはりあいつは、根っからの詐欺野郎でしかないのだろう。

 Aさん、Bさんともに到底許せない犯行だったが、ひとつの家族に、一生消える事のないトラウマのような詐欺事件、それが《裏口入学サギの事件》がまだ裏にあった…

 つづく