【2007年9月】
9月8日(土) 阿部チャン万歳「正偽」のお宝映像
(^o^) まあまあ
台風のレポートを書いていて思い出したのだが何年か前に、日テレの朝ワイドで、あの『正”偽”漢レポーター』阿部祐二サンが、かなりこっぱずかしい
「私は大変危険な情況で台風のレポートやっております」と自称して、視聴者の望んでいる”なるだけ風の強さに吹かれまくって翻ろうされている”ボディランゲイジをカメラ前でして見せてくれていたのを思い出した。
こうしたものはお茶の間のボクらが『もしあの場に立っていたとしたら』といった押し迫った状況に、ボクらという身勝手な奴らを「代入して」疑似体験して披露するのが正しい放送人のあり方だとボクは思っている。
その意味でその日の阿部チャンは白ヘルに身を固め上下雨がっぱの長靴姿、マイク片手で強風に思わず飛ばされそうになったらしく、足首までの水の中にしゃがみこんで立ち往生の「絵」を送って見せてくれた。
見事にそのレポートは「絵」だけで充分、スタジオと鹿児島に上陸の台風…で、「最前線から」というシチュエイションを100%見せてくれました。
ボクも
『おぉ〜〜ッすっげぇなあ、あの清原のような180センチ優に超える大男が立ってられないのか〜恐るべし台風XX号』と、ビジュアル的にビッシビシ自然の脅威を阿部チャンから感じていました。
ところが、スタジオのテリーさんらとのやりとりが終わり、
『ではXXのOOさん、』とスタジオから別の地点レポーターへの呼びかけが始まるやいなや、阿部ちゃんは早まってしまったのだった。
『映像中継も切り替わった』かとわが阿部チャン早とちりしたらしい。
それまで立ってられなかったはずの強風に、思わずしゃがみこんでレポート余儀なくされてしていたというのがまるでウソのよう(笑)、その声をキューとして(なあんだ良く音も聴こえてるじゃん)、なんと、スックと立ち上がり、スタスタと背筋を伸ばして強風もどこへやらカメラ前からハけてゆくのであった。
ボクはその「ガビ〜〜ン」感を誰に伝えたくても証拠がないからずっと我慢をしてきた。
どこかの主婦作家とはちがうので、主観でモノを展開しちゃならんのだ。
その有様といったら共通するものが思い浮かんだ、吉本新喜劇である。
井上のたっつぁんあたりが90年代良くやっていたのだが、舞台中央で『うんこらせ、やっせっせ』と彼が扮する爺さん役が必死にそこに転がる荷物を重そうに持ち上げようとして格闘している。
と、そこへめだかさんとか、(鼻油の女性)秋江さんあたりが通りかかり手伝おうとするがそれを断るのだ。
そして一座が同情する中、たっつぁんは、格闘をさんざ繰り返した後にいきなり
『よいしょっと』とばかり軽がると肩の上にひょいと乗せて去っていってしまう。
そしてひと言
『ええ運動になったワ』
一同:コケまくる…
場内爆笑
まさにアレ、アレモンをわが阿部チャンは台風レポートの場面でそれをやっちゃったのである。
だから当日のギャラは『スッキリ!』独占契約料もさることながら、『マジ役とギャグ役』の二人分として、2倍出たそうである(というのはウソだ)。
今までこの貴重なお宝フテージについて、サスガに日テレも他局(は著作権的にできないだろう)にしたって『TV名場面珍場面集』などで出すわけには行かないタイプのものだ。
ズルい、というのはああして笑ってすごせるものではないからだ。
今後、死ぬまでお蔵入りしている廃棄されるのだろう。二度と陽の目を見ることもないはずだ。
いつか東京さ出ていったら、今に見ておれ証拠を見つけて…と心にしまっておいたら、世の中便利になったものである。
ボクと同じようにああした『ウサんくさい正”偽”野郎』の所業に腹立てていたお方がいたらしく、YouTubeなるところで、偶然見付けてしまったのだ、そのヤラせ一部始終を(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=inARaE85OkA
こりゃあ面白い、あらためて見たらあざといことあざといこと。
こんなモノが日常なんだろうか、ワイドショウって。
政治家や官僚の偽装だのなんだの、ちっとも突っ込めないやね、これじゃ。
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9月6日(木) / 台風もまた愉し
(^o^) まあまあ
先月末に書いた「青木るえか」なる”作家”コラムについて明らかな間違いを糾した当『・・・日記』をお読みになったという、感謝のお便りをNHKの職員氏から頂戴した。
この職員氏から云わせると、あのTVについて書かれた週刊文春のシロモノコラムは、NHK批判の中でも「極端に的外れな批判」で知られる、NHK局内でも”もっともポピュラーなもの”なのだ(笑)そうだ。
それは氏の同期入社組の別TV局のなかでも、あのコラムは誤爆の札付きで知られているほどバカにされているらしい。
そんな定評などホントに恥ずかしい事である、どうせ悪口書くならば本気で告発するつもりでやりやがれ、本気で相手を恥ずかしいと消え入るまで追い詰めろ、そういいたい。
紙に書いただけで金とっている以上、”それがプロ”ではないか。
知らないことなら何らかの前置きをすべきだし、私的印象だけを書き披露すべきではないか。
ボクは書いたものにつき、『相手をいかに怒らせても気にせぬ』けれど、相手がそれを見て『あの〜、これってジジツ関係間違っているんですけど…』嗤われていたりしたら、これほど恥じ入るものはない。
まさに、振り上げた拳を、『コン』と、この坊主頭にUターンして叩くワケで、『ぼんちのおさむ』ではないのである(笑)、まさに「見当違い」と、嗤われている…のだけは自分が許せないだろう。
かなりカッコ悪いぜ青木さん。
それにしてもこの職員氏のお手紙は「書けないことだらけ」で面白かった。
その中でもあの大河ドラマだけはさすがにやらないだろうが、
『局の裏にある代々木公園へ、鎧兜を着せた”無名の役者”を連れて行って「3対3の白兵戦」を(別の番組だろうが)撮っていたケースもある』そうだ。
そんなのにもいちいち、公園へ「使用許可」取らなきゃならないマジメな公営放送の宿命か、お気の毒としか云いようがない。
だけど、アベックが草むらの向こうで『ヨロイカブトのおさむらい』が斬り合いしていたらかなり驚く事だろうなあ(笑)
それにつけても『大型台風』である、ボクはこうした緊急事態が大好きだ。
打ち合わせなしで色々なドタバタが、目の前で繰り広げられ、楽しくてしようがない。
そのNHKでいえば、かつて台風情報で、あの「プロジェクトX」の司会をやった生真面目の国井正比古アナには深夜大爆笑させられて、自分ひとりじゃ勿体ないから家人をおこして一緒に笑ったことがあった。
というのもわがNHKニュースは、台風や災害・大事件の際ともなると徹夜体制で、1時間ごと毎正時に、その一大事の現況を読み上げるわけだ。
たしかそれが午前3時ごろだったと思う。
時報の鳴るのと同時にNHKニュースのあの画面が開いたら、このマジメ男がナナメに板に着いているところだったのだ(笑)。(このころの国井さんは読み上げ一本やりで笑顔は見せたことがなかったのでなおさらの事だった)
おそらくこの一時間に氏は仮眠でも取って、たたき起こされてどこかから駈け付けたのだろう。
そのドタバタ駆け込みが間に合わなかった”カケラ”が、一瞬写ってしまったのである。
スチール椅子までがギッシュギシュなる音効つきだったから余計だった。
NHK的完璧主義ボロボロの敗北である(笑)。
”リハーサルの鬼”の局風も一瞬で爆砕されたようなものである。
それだけではない、国井さんは仮眠の際にネクタイを外していたのだろう、そのタイはまるで織田裕二が犯人を追っ掛けるように『ネクタイはゆるみ、「ナナメ60度くらいの豪快な角度を描いたまま」首にそれは引っかかっていただけ』だったのである。
そしてそのままニュース原稿を読むのだ、顔の表情は何事もなかったかのように(笑)、しかもNHK総合で(爆笑)。
こちとらもう寝床から飛び起きてヒイヒイ云って、TV画面にかぶりつきだ。
それは
『いつこのネクタイを直すんだろうか』に集中したいからだった(笑)。
幸い、『それでは現場からの様子を…』と国井さんは画面切り替えを案内し、チクショウ上手く逃げられたぜ!そう指を鳴らして悔しがったボクだった。
ところが、スタジオに画面が戻ったら…
なんとどうなっていたと思います?
「ネクタイの角度もゆるみも同じ」で、また話し始めたのである(笑)、何事もなかったかのように。
ケンカでもしていたのだろうか?そんなことはないだろうが、ボクはNHKに
『こっ、こんなサムライがいたのか』と感動した、男らしい、欠点を「シメシメその間に」と、現場中継の陰に隠れ、スタジオ帰り前の間に容貌を取り繕うマネなど潔しとしなかったのである、偉いぞクニイ。
ボクはそれ以来、国井さんが他人のように思えないのである。
そして今日の台風中継では、CXの森下さんという若い八丈島突撃最前線中継記者がNO.1に笑えた。
東京の局アナに現場の情況をマジメ、かつ適確に報告している…のだが、よく見ると彼の身体はあまりの強風で、(立っている時90度の身体が、)なんと『65度くらいのナナメ』の状態で、スタジオの問いと、報告のやり取りをこなしているのである(笑)。
それにしてもそんな中での彼の描写トークは巧い!
岸に打ち寄せる大波がくだけ白い粒となるサマについて
通常の決まり文句というとこうである
「時折打ち寄せる波が、消波ブロックにぶつかって高くはね上がっています」これで合格、でもつまんない。
ところが我が森下はズバリこう斬った。
『まるで岩が爆発して砕けるようです』と表現した、偉い!芥川賞を差し上げたいくらい価値がある。
そしてもう一度感心しつつ観察すると、白ヘルのカレ氏は、右手に防水マイク。さらに左手にはなんと『デンデン太鼓』を持っているのだった(そういうカタチのハンディ風速計だったけど 笑)。
そんで、それが強風で先っぽの「ピンポン玉半割りx4個の風車」がビュンビュン回っているのだから凄い絵だった。
もう「全身『強風ハローワーク警報』」を表現しまくっているわけ(笑)
そして『こんなに大きな自動販売機が倒れていますっ!』と、KIRINの白い巨体が倒れているのをすっ飛んで行って指差し、風の強さを表現する(スポンサー的にオッケー?)。
そして仕上げは歩道を歩いてリポート最中の森下さん、その足すくわれるように吹っ飛ばされて車道に尻餅…と大の若者のクセに大サービス(云い方がヘン?)。
やはり、ビジュアル報道というものはこうなくっちゃいけない。森下偉い。
「報道局長賞」上げなくっちゃ。
さんざっぱらマスコミは『この台風は大型で強い』といっている以上、新聞ラジオならいざ知らず、テレビという映像メディアである以上は、意地をかけてこうした『カタチ』でいいから、『いかに大型で強い』のかできるだけの表現をしてくれなきゃバカな視聴者(ワシら 笑)は判らないのである。
これからの台風シーズン、ボクはCXにチャンネルを固定して、森下の追っかけをする事にした。
(昼すぎまでは森下君、上下青いカッパだったのが、安藤さんが呼びかける時刻となったらグリーンに着替えていた。下着の替えまで持ってきたかなあ 笑)
ところで、このところの最高に笑えた台風報道というと、3年前の秋にテレ朝の入っているビルのテラスからリポートしたメガネの若い報道記者(名は知らぬ)につきる。
報道局から実質ほんの数十メートルしか離れていない位置のここに立ち、「風台風」に挑んだ彼。
『かぜは現在小康状態に入っています。現在台風は…』とはじまった、
(おそらくは目の前に掲げられたボードを)読んでいた彼、スタジオからの呼びかけに答えている。
そのスタジオキャスターらの背後にあるガラス張りのデスクが並ぶ報道局内(視聴者にも見せちゃう)では幾人もの背広ネクタイ組が、外部の若手記者のレポートをもっともらしくモニター経由で注視していた。
するとその瞬間!
カレの顔が真横に『バッシャ〜〜アン』と、張り飛ばされたのである!!!
それは画面右方向から強風にハガされて飛んできたブリキの看板だった、それも思いっ切り。
『うわっ、いってぇ〜〜』マイクごとの直撃でバッシャーーーンという大音響と、”素”の感嘆詞(笑)を全国に伝えながら、その記者はまるでコメディのように画面左へと強制的にハケていった(爆笑)。
すると目を丸くして口を押さえた女性アナを尻目に、ガラスの内側の背広ネクタイ諸氏の笑うこと笑うこと(爆笑)
スチール椅子から転げて頭を打たんばかりに笑いまくっている上司らにも好感が持てた。
ボクも本当に嬉しかった、ケガも深刻になるような物体ではなかったと見えただけに、躊躇することなく広範に笑いの環は広がった。
それにしても、逆のパターンとして「台風や事故」で首都圏のJRが普通になった時にレポートするのでも、車を乗り付けやすく、中継電波を飛ばしやすいから…という理由で、いっつも「新宿駅南口」が代表格で選ばれる。
あれを全面的に考え直して欲しい。
ボクはここで中継が入ると、首都圏からバカが選抜してきたかのように思いっきり集合し、アナの背後で携帯を片手に手を振ったり、Vサインしやがったり、カメラがパンして左右に逃げてもしつこく追いかけてきて画面に映りこもうとするマヌケどものツラばかりが気になって、情報が一向に頭に入らない、毎回いやな思いをする。
日本の大臣というだけで、これだけベストセレクションというほどの嘘つき、身の程知らず、さらに卑怯者と、超高確率でどいつもこいつもがバカだったという連日の盛況ぶりがもうこれで2ヶ月も続いている。
頼むからあの場所だけは今後やめていただきたい。
これでは日本人すべてがバカなのかもしれないという、パラノイアに陥りそうな『どいつもこいつもバカだった超高確率中継』などは国会地方だけに限って頂きたい、お願いだ。
そう切に願いつつ、今晩も台風の行方を追う晩となる。
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9月1日(土) / 『サード・アイ』えのきどいちろう
(^^)v 最高
だからさ、『13日、東京下町の管区である光頭…じゃなかった「江東運転免許センター」へいき、国際免許の更新をしてきた。』わけです。
あのビルは館内全体が禁煙化されているので、更新を終え正面玄関の階段を下りてゆくとその下には足元には30人ほどのタバコ愛好者の群れが広がって、煙を吐き出している。
ちょっと壮観。
だがこうした飢餓(?)状態で喫っている人々というものはどうしてみな、ああも不味そうにすっているのだろうか。
そういえばボクもかつては1日20本。ピーク時で60本にまでエスカレートしていたほど。
だから、いざ禁煙とされてしまった者の気持ちはよく解る。(週刊現代のコラムで外人さんが「新幹線喫煙車に、生ハムを天井から吊るしたらさぞかしいい燻製になるだろう」と書いていて笑ったが、ボクはそうではないと思う。あれでは短時間にスモークされてしまい、燻製としては養生が足らないと思う 笑)。
ともあれ、その集団がくゆらす中へ降りてゆくといきなり
『ああ、前野サン! ごぶさたです!榎戸です』という元気な声が飛び込んできた。
ボクは焦点を合わせるまでに時間がいる男なので、焦点を合わせていると「榎戸」と繰り返していた。
ああ、『えのきど(いちろう)』」さんか、ひっさしぶりだなあ〜
この方は有名人日本ハムファンの中にあって、球団が一方的に打ち出した
『札幌移転計画』について、はっきりと反旗をひるがえし続けた気骨のある偉人だった。
というのも、他にもそうした『発言への影響力ある方々』も当初は反対ののろしを上げた者はいたことは居た。
だが、次々とファイターズの個別説得工作に負けたり、中には球団主催の「イベント出演という営業」といったアメを貰う事との引き換え(?)で節を曲げ、公然と反対を口にする者は次第に消えて行った。
その中でドームのライトスタンドに陣取る応援団らの監視眼を借りれば、この「えのきどさんだけ」が公認のファンを代表する署名人として最後まで踏み止まったのをボクは忘れない。
パリーグを愛するものとして恩にも感じているほどだ。
それがなんだ、昨季はファイターズは貧乏人のクセして(笑)、優勝してすっかり舞い上がったのか、えのきどさん今日は事もあろうにカナリアイエロー、サッカーのブラジル代表のレプリカジャージ(NIKE製レプリカ)を着ているではないか、許せん!。
ボクは野球ファンとして、共に天を戴かぬサッカーの品などを身にまとって恥じない”ファイターズ代表”の変節を何度もののしった。
『そんなの個人の自由じゃないっすか、コレ涼しいんっスよ』
偉大なる文筆家、えのきどいちろうの口からは思いがけなく小学一年生みたいな反論しか出て来なかった事にボクはがく然とした(笑)。
思えば彼はかつてイタリアという国を敵に回して闘ったほどの硬骨漢である。
いわば反ファッショの闘士ということになる(笑)
というのも、かつて80年代後半「DIME」誌の連載コラムに於いて、氏は当時の中曽根首相が『アメリカ人はバカだ』といった舌禍事件を受けて、”それなら”と、あらためて「60人に『バカな国はどこですか』と聞いた』アンケート結果を載せて60人分の42人が『それはイタリア人』との衝撃的数字を載せて、笑って斬ってみせたのである(笑)
そうして、42人のうちから投票理由を掲載、
「陽気すぎる」「デブが多い」「性格的なもの」「男の人がナンパ」(笑)「昼休みが長すぎる」「友達のそいつがバカだった」とのどこかもっともな回答者の付帯意見をも紹介したのである。
するとこのコラムの結果を朝日新聞が大真面目に載せ、それをまたイタリアの(朝日的なタカビー紙)コリエッレ・デラ・セッラも国辱的と引用して怒りまくる(笑)始末となった。
DIMEの編集長が外務省で叱られたり、イタリア大使館から抗議が来たり、当時無名の筑紫哲也朝日ジャーナル編集長までが「イタリア人を侮辱する記事」と、ステレオタイプなミミッちさできめつけ、ハタからみれば抗議を寄せる外部勢力の「事なかれ軍団」の発狂ぶりのほうが、むしろ常軌逸した陽気なバカぶりを結果的に浮き彫りにしていくという現象を呼び込んだのである。
これら抗議勢力に共通するものは、本当に問題とすべきオリジナルの記事を『こいつらは全文を読んでいないだろ』という、結局は安易な迎合主義のお囃子に乗って、入り口に近いイヌが吠えたら何がナニか判らんが、とにかくワンワン吠えているだけ…の浅さなのであった。
これが『イヌ屋のイヌ現象』といった前野理論の典型である。
ともあれ、えのきどさんはこうした『逸筆』活動はじめ、先の「ファイターズ」との関わり方や「日光のアイスホッケープロチーム」の灯を消すまいと、貧乏所帯を救うべくボランティア活動を重ねるなどの侠気。
なんだか彼にボクは日本人にはないタイプの”『3つめの目』をもつ人物”と見ている。
サードアイという者は会議をしていてもどこからともなく湧いてくるアイディアで信を得たり、行き詰っている一座に新たな出口を指し示したりという人物を指して英語圏では『He's got a Third Eye』と褒めるものだ。
民放ラジオでのキャスターもなさっているが、もっとウヒウヒした毒があって良いのに、日本国におけるキー局TBSラジオといった、タブーだらけの細かいチェックと隣り合わせでは、ちっともえのきどさんらしくないように思える。
ここにはもう一度『イタリア人は今もバカと思われているかどうか』企画が通るような環境ならえのきどいちろうだし、現状のままではボクにとって「オリに入ったえのきど」では哀しいばかりだ。
そもそもこのDIMEでの連載をまとめた単行本『えのきどいちろうニッポン非公認記録』(小学館刊)が、初版だけで絶版になったのもこの「当該回」まで再録されていたため、さすがに自粛、絶版となったらしい。
これは他のページもそろって面白く着眼点が「3rdEye」なのだ、そんなイキサツから今や超レアな物なので「イヌ屋のイヌ的に」是が非でもゲットすべきである。
その氏が約12年前にボクの店を「突然訪れ、無届けで突然紹介」してくれた事がある(笑)。
あの時はビックリした、そしてあのお客さんがえのきどさんなのか…と、このコラムを読んでから知った次第、にしても本当に光栄だった。
そこにはまさにボクが『野球キチガイによるこうした野球キチガイのための店に来て欲しい』と思って構成してきた店作りをキッチリ読み切った文章が、そこに活字というカタチに姿を変えて表現されていたからだった。
先月氏と顔を合わせて以来、そのコピーを探してまた、探しまくった結果、きのう本の間から出てきた。
当時ボクはこのコラムをソファで寝っ転がって読んでいて
『(あぁ、オレが書いたコラムが載っている本か〜)』と目を細くしたまま読み進むうちに、ビックリして目を見開いてハネ起きたものだ。
なんだこれは!ウチの事を『別の人が書いている』じゃん!と行を進むうちに気付いたからだった。
ここに慎んで再録する。『えのきどいちろうの 茶柱観測所 第27回野球狂の詩』より
(原文ママ)
世の中というものは何でも売っているんだな、と思ったのは、荒川区町屋駅前の流体力学という店に寄った帰りである。
流体力学はベースボールマニア向けのショップで、オーナーがテレビ東京の『開運!なんでも鑑定団』に出てるから名前は聞いたことがあるかもしれない。
店に一歩踏み込んだ途端、めまいがした。メジャーリーグのオフィシャル・ウォームアップジャンパー等はもちろんのこと、レジー・ジャクソンとかノーラン・ライアンのユニフォームやなんかが所狭しと吊るさっている。
愛甲や清原のファーストミット、伊良部のウォームアップスーツもあった。
ついこないだ読んだ尾辻克彦の『ライカ同盟』(講談社)を思い出したのである。
「中古カメラの病気もそうで、これで死んだという人の例はまだないけれど、仕事が停滞してしまい、健全な社会生活が送れないという人は数多くいる。」
「困るのはこの治療だ。安いレンズで治ってるうちはいいが、ライカウィルスとかに患ったら、大変である。すべて自費治療であるから、ボディー、レンズ、アクセサリーと買っているうちに、ふらふらになる。金がいくらあっても足りない。探す時間も足りない。このままダメになって死ぬのでは……、と思うときもあるほどだ」
笑って読んでいたけれど、笑いごとじゃない。ボクも流体力学の店内に足を踏み入れた途端、ベースボールウィルスに罹患してしまった。
店の奥にオレンジのユニフォームが吊るしてあった。一目でわかる。日本ハムファイターズの、’92年シーズンまで使われていたユニフォームだ。これはまずいものが目に入ってしまったと思ったが足が止まらない。ずんずん店の奥に進み、店員の人に、
「すいません、そのファイターズのユニフォームをちょっと見せてもらえますか」
と言っている。誰のやつだ。裏返してみる一瞬の間に、できたらオレの嫌いな選手のものであってくれと祈った。
残念ながら背番号7、「OKAJI」とネームが入っていた。岡持和彦現バッティングコーチ。東映時代に入団以来、ファイターズひと筋にやってきた左の強打者だ。'81優勝時には主力で、日本シリーズでもホームランを放っている。栄光の背番号7も、間に2シーズン内田順三が入るものの、流れとしては、あの白仁天からひき継いだものである。
「すいません、これ下さい」
値段を訊かず、言っていた。値段は結果的に4万円であった。4万が高いのか安いのかわからない。しかし岡持のユニフォームだ。
岡持と言ったら思い出の中で輝いてる、最も日ハムっぽい選手の一人だ。それが一生、オレのものだ。仕方ないじゃないか。
オーナーが「日ハムのファンですか?」と言って店の奥から五十嵐信一のグラブを出してきた。頭上に田村義夫(=誤。正=藤夫 前野註)のキャッチャーミットも吊るされてる。オレは一体、どうしたらいいのか。
「五十嵐さんのグラブを手に入れてみたら、捕球ポイントが凄く深いんでビックリしたんですよ。こんなに上手い人だったのかと。道具を手に入れてからファンになるってことがあるんですね。あの人は、名手の白井がいなかったら間違いなくセカンドのレギュラーでリーグを代表するプレーヤーになってたでしょうね。やわらかいいいグラブですよ」
オーナーはそう言って五十嵐のグラブを手渡すのだった。どうしたらいいのかわからなくなって、泣きそうな顔でグラブに手を入れたりしていた。
金だ。金が必要である。幸いメジャーリーグに距離を持って接してる為、ライアンのユニフォームまでは欲しくなっていない。罹患したのは、言わばベースボール・ウィルスの中の日ハム病だ。インフルエンザでも香港型とかソ連型とか、色々、細かく分かれてるじゃないか。日ハムに限って発病していれば、そう大した金はかからないだろう。ほんの少し余計に働くだけでいい。競争率も少ないから、まぁ岡持のユニフォームみたいな凄い品物が、ぶらっと行って手に入る。これを心の底から悔しがる奴といったら、たった一人しか知らない。四谷、文鳥堂書店の店員ナカジマだ。ナカジマ〜〜〜〜、オレ、岡持のユニフォーム買ったぞ、ヘヘヘィのヘーィ。
今、ナカジマが店で『マガジン・ウォー』を立ち読みしながら、地団太踏んで悔しがってる筈で、まったくざまぁみろなのであるが、そういうわけで世の中にはベース・ボールマニア市場と呼ぶべきものが存在するのである。流体力学オーナーによると「メジャーのものは特に、アメリカにちゃんとした市場があるので、手に入らないものはない」、「ベースボール・カードのマニアが、カードの流通枚数の多さに嫌気がさして、こっちへ流れている」とのことで、これからこの分野は大変なことになるのかもしれない。流体力学主催のオークションも盛況であった由。
一方で本邦カードショーも年々、活況を呈していて、オレはウィンタースやシューのカードを手に入れたくて仕様がない。サッカーに競技人口が奪われる一方で、野球はようやく文系、オタク系のファンが活動できる余地が生まれた。野球ファンは今後、ぐんぐん少数精鋭化していくかも知れない。ウィルスに罹患した人しかいなくなるかも知れない。
*********************************************再録を終えて…
よく「句読点とは息をつぐ場所だ」というけれど氏の文章を写していて気付いたのは水泳のピッチ泳法のように、えのきどさんは息つぎのテンポが早く、小気味がいい。
ともあれ、昔はこうして日本の「人気がない頃のパリーグユニフォームやら帽子」が出回っていたが、今や手持ちがあるならばこうした昔日のように戻してみたいものだ(だから来たって無駄足になります)。
今は無きこの「月刊 マガジン・Woo」も面白い本だったしセルフ出版の「月刊誌 ウィークエンド スーパー」も斬新な企画、まさにサードアイな企画ッぷりで、次号の目次で今号はどんなバカな事をやっているかを目で追うのが楽しみなほどだった。
古本で見付かった場合、額はともかく金で買えるだけ花、今のうち買っておかなくては二度と入手不能だろう。
女性編集長の背後にいる粋人、末井昭(白夜書房社長)にサカリが付いていた時代のもので、それに惹かれて赤瀬川先生、南伸坊、キチガイ僧侶の上杉清文、あの平岡正明、新鮮”だった”頃のアラーキー、等など大物がズラリ、メチャクチャ過激で、差別を大笑いし、なのに底抜けに優しかった。
80年代、思いっきり表現に制限をかけない編集には、いきおい徹底的な警察からの政治的ワイセツ罪攻撃を呼び込み、結局、「何でもアリ」という雑誌は消えてゆく(その過程で「写真時代」も過渡的にあった)。
これも、昭和の庶民史としては欠かせぬ「文化遺産」だとボクは捉えている。
あ、そうだえのきどさん。
アメリカから『イースラー』のサインボールが来ましたがどうします?(笑)
作業中
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