チャリティ団体のオークションに出没する、エラい人々

メイク ア ウィッシュ ジャパンの募金活動に協力するうち、こんな人種もおいでになった。



 手元にパンフレットがある。ミッキーマウスと握手している女の子、GTカー(市販のスポーツカーをレーシング用に改造したもの)の中に納まった男の子、ユニフォームを着て始球式をする子、旅客機のコクピットで即席機長になっていたり、ダイバースーツがダボダボだけど底抜けに笑っている子もいた。それぞれすべてがこの子供らの「いつか夢見ていた」ことを実現した写真集だ。
 それらはどれもボクらが今も仕舞っている夢と、大差のないものばかりだった。

 世界各国で難病の子供たちが抱いているそんな夢を、彼らが病に”支配されつくされる”その前にせめて叶えあげる「願い事をかなえる……」(メイク ア ウィッシュ)」活動がMAWJの役目である。
 昨今の不景気の中、ご多分にもれずまっ先に経済的に苦境に陥いるのがこうした無償の奉仕活動である。
 
「ナンだろう……?」
そんな明るいチビッ子たちの笑顔に目を細めていると、ズラリと並ぶ多くの写真の端に[★]が小さく印刷されているのにボクはようやく気が付いた。
 小さな脚注を目が急いで追った……「この子らは夢を実現したこの後、天に召されました。」それこそ天にも届くような写真の笑顔がグサリとボクの目をつらぬいた。

 瞬間、真っ暗で残酷な現実へといきなり突き落された。なんという呪文なのだろう。
 それからはもうこのパンフレットは、にじんでしまい全く正視できなくなってしまった。

 ボクが清原君のスパイクを提供したところ、入札の間、MAWJが不慣れな知識のため1999年に冒した関係ない悪意なきミスを指して「チャリティの名を借りた業者なのではないか?追求する……」との「宣告」を、三年を経ったというのに書き込み、この団体をサギ呼ばわりし、自分らが落札した『NBAの試合の席が前から15列目ではなかった』だからサギなのだとの三年前の指弾を浴びせる者も複数いた。

 また“お約束”となっている「”ネタ”的質問」やらイタズラ入札にも遭い、多くの関係者らを落胆させていた。中には気付かずに入ってしまった善意の入札者もおられたようだが、眼をギラつかせた連中は事務局の人が「質問」に右往左往する…のが楽しくてならないらしい。

 その度にこれら善意の人々は蒼くなり、立ち尽くしていたのである。
 ボクは困り抜いた事務局のボランティア氏の背後に、「虚空を向いたまま動かない気の毒な子供たち」の姿をも重ね合わせて、ふるえるほどこうした連中に憎悪を覚えた。

 人の世にはさまざまな人間がいるものだ。また、いいと思う。
 その時だけのMAWJのミスによる、連中に刻まれた『悪評価4件』を再再度指摘した挙句、「こんな団体を信じてはいけない」する者まで現われた。『こんな団体』とはどんな団体なのか。

 それは同時に『私からの保証出品』という清原スパイクに限っては、「MAWJのみならず」”私にも”投げかけられた、いわれなき悪罵に等しい。絶対にこれを忘れる時はないだろう。

 だが世の中は広い、反面救われるのは、同じオークションロットで落札された…そのほかほとんどの方々が、その列の席だって「十分楽しめて、お役にも立てたから『良い』」という逆の評価を残した善意の入札者たちの感謝の言葉をも我々はあわせて読んでせめてもの……。
 と心をなだめたい。
『武士の情け』というではないか。「ケンカなら歓迎」という人々もインターネット上には数多くいるし、専用の(笑)サイトも用意されている。
 同じ巻き込んだり、”寄りかかるのケチつけ”なら相手というものがあるだろう。

 吹けば倒れてしまうような(文字通りの)おんな・子供、しかも余命をにらんでドクターとの連携の下、一刻の躊躇もできないような弱者を相手に『説明に時間をかけろ』『もっと気を利かせるべきだ』といった駄々をこねるがいい。
 だが、そうした事で諸君らが満たされるものとはいったい何なのだろう。

 また、彼らにしたって”本来の頭脳”を使ってもらえるならば、きっと解ってもらえるはずなのだ。それを怠り、最もいけなかったのは他ならぬ「MAWJのせい」なのかもしれない。

 何しろMAWJには、そうしたパンフレットを配り切る予算や人材がないのが元凶だ。
 ”ある”としても、彼らは目の前のストレッチャーに身体横たえ、目をむき出したまま動かなかったり、延命の只中をさまようチビッ子らの夢を”一人でも多く”実現させてやるために使うおカネだけで精一杯なのだ。

 きっとそれが“いけない”のだろう。
 こんな“小悪”を糾すため、一人でも多くの方々が参加して欲しいと願う。

〒102−0083 東京都千代田区麹町1-7 相互半蔵門ビル4F MAWJ (パンフレットは切手140円分封入しご請求を)

左のイチローから託された『93年実使用ヘルメット』は170万円もの浄財と引き換えに、95年春、『阪神大震災被災者』に宛てて、『神戸市』に寄付された。ところが後日、この金額がボクの会社の利益となって税金を払い、さらに税務調査によって『赤字だったのか』と後日判明したがあとの祭りだった(とほほ)。


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